モスル近郊(CNN) イラク軍が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」からの奪還を狙う北部モスルで、ISIS戦闘員らが逃走し、隣国シリアへ向かう動きが目立っている。
シリア国境の町ラビアの有力部族指導者が24日、CNNに語った。ISISの戦闘員と家族が毎日、数十人単位でモスルを脱出し、イラク北部シンジャルの南方に位置するISIS支配地区、バージを通ってシリア側へ越境している。このルートは全区間、ISIS支配下の避難路に沿っているという。
同指導者によると、ISISとつながりのない避難民は、クルド人が支配するシリア側の町、ホウルにたどり着くケースが多い。
モスル奪還作戦が始まってから24日で2週目。イラク軍統合作戦司令部によると、モスル近郊では同日までに78の町や村が解放された。
イラク軍側はISIS戦闘員772人を殺害し、23人を拘束。車に仕掛けられた爆弾127個を解体した。2つの爆弾工場を発見し、400発近い即席爆弾を遠隔操作で処理した。
地上で進軍を続ける数千人規模の混成部隊を、米軍主導の有志連合が上空から援護している。
有志連合の調整を担当するマクガーク米大統領特使がツイートしたところによると、この1週間に実施した空爆の回数は、有志連合がISISへの攻撃を開始してから最も多かった。
地上部隊はまもなくモスル市内に入る見通し。ISISの抵抗で激しい市街戦になることが予想される。
一方、同市から南へ約30キロ離れたカイヤラでは、硫黄の鉱床と関連工場にISISが爆発物を仕掛け、緩慢燃焼性の油をまいたため、数日前から火災が続いている。現場からは有毒な煙が立ち上り、数百人が体調不良で手当てを受けた。
イラクの戦場で硫黄が燃焼