(CNN) 米テキサス州の病院に勤務していてエボラ熱に2次感染した看護師は25日までに、病院を相手取って起こしていた裁判で和解に応じた。両者が共同声明を発表して明らかにした。
看護師のニナ・ファムさんは勤務先の病院が適切な対応を怠ったためにエボラ熱に感染し、自身のプライバシーも侵害されたと主張して、2015年3月に病院の親会社THRを提訴した。
共同声明では「THRとファム氏は係争中の訴訟を決着させた」「和解条件については公表しないことで合意した。これ以上の声明は発表せず、メディアの取材にも応じない」としている。
ファムさんと同僚の看護師は2014年、リベリアから渡米後にエボラを発症した男性患者の看護を担当。マスクや防護服を身に着けていたにもかかわらず、男性が死亡した2日後にエボラと診断された。
裁判の中でファムさん側は、エボラに感染する恐れはないと病院に念を押され、家族や友人との接触も禁じられていなかったにもかかわらず2次感染したと主張。米疾病対策センター(CDC)も、定められた手順が守られなかったことが感染につながったと指摘していた。
ファムさん側はさらに、病院側が詳しい病状を公開することによってプライバシーを侵害し、ファムさんに寄せられた同情を病院の宣伝のために利用したと訴えていた。
ファムさんと同僚の看護師は、エボラ対策の設備が整った米国内の病院で治療を受けて回復した。しかし2015年に提訴した時点で、まだ疲労感や身体の痛みを感じると話していた。
看護師の仕事に復帰できたかどうかは不明。24日にコメントを求めたが返答はなかった。