航空運賃の謎、価格設定の仕組みは<4> 値上げ・値下げもほどほどに

2016.12.25 Sun posted at 09:00 JST

(CNN) 顧客の利用動向などを基に価格設定を行うことは可能だが、こうした顧客プロファイリングには危険も伴う。ビジネス関係で頻繁に航空機を利用する顧客に対し、家族旅行での予約の際にもいつも通りの高めの運賃が提示されれば、反発を招く可能性もある。

一方で、航空会社はあまりに低い値段を設定することに対しても慎重になる必要がある。

航空便の出発前になってもまだ空席がある場合、一気に料金を下げる攻勢に出たいところだが、これが常態化すればブランド価値を毀損(きそん)し、付加価値の高い顧客が離れてしまうリスクもある。

航空運賃がランダムに設定されているかに見える状況は、友人や同僚との話題の種ではあるが、多く旅客の間で不安の種にもなりかねない。料金が大幅に変動しうるとの印象を与えると、気付かないうちに追加料金が発生しているのではないかなどという恐れが顧客の間で高まる可能性もある。

荷物や座席に関連して追加料金を支払うやり方が増えてきている

そのため多くの航空会社では基本に立ち戻り、固定料金の枠内で一定のサービスを提供する道を選んでいる。ただ、最初に格安航空会社が登場した時のような、硬直的な運賃体系と混同すべきではないだろう。

現在のものはむしろ、格安の運賃体系をさらに発展させた形に近い。顧客は、追加の手荷物やより広い座席などといったオプションを基本運賃に上乗せして支払うことを選択できる。ファストフード店のメニューオプションのようなものだ。

次回「航空運賃の謎、価格設定の仕組みは<5> 利用者側にも対抗手段」は12月26日公開

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。