航空運賃の謎、価格設定の仕組みは<2> 競争激化で値決めも進化

2016.12.23 Fri posted at 17:03 JST

(CNN) 専門家によると、航空運賃の価格決定において、現在最も重要視されているのは収益管理だ。収益管理は近年、一段と複雑になり競争も激化した。コンピューター処理にかかるコストの低下などにより、以前とは別次元の洗練された水準に達しているという。

例えば、「予想限界座席収益(EMSR)」と呼ばれる手法は、ルートや収益機会を考慮に入れて運賃をリアルタイムで最適化する方法を検討するものだ。

また航空コンサルタント企業の創設者によれば、航空会社は特定の路線における顧客層について合理的な想定を幾つもはじき出し、それに応じて料金を調整していくこともできる。

例えば、ロンドン発スペイン・マジョルカ島行きの路線は観光客が多いのが特徴だ。休暇の数カ月前から予約が入るとの見通しが立てば、まずは高めの座席料金を設定しておくという選択肢が航空会社にとって魅力的に映るかもしれない。その後、市場の反応に応じて料金を調整していく。

一方、ロンドン発ドイツ・フランクフルト行きのような典型的なビジネス路線では、最低限の座席を埋めるため、最初は料金を低く設定しておく場合もある。そして出発間際に駆け込み的に予約を入れるビジネス客に対し、料金を一気に引き上げるという。

実際、こうした駆け込みの利用客は付加価値が高く、一部の航空会社では、こうした乗客のために座席を確保しようとすることもある。

例えば、スペインの企業が開発したサービスでは、航空各社が割引券などの補償と、乗り換え便の再予約を提供することで便の変更を受け入れる可能性の高い乗客を探し出すのを支援している。座席を空けることができたら、高額を支払う乗客を満員だった便に振り替えるというわけだ。

次回「航空運賃の謎、価格設定の仕組みは<3> 実は細かい座席料金」は12月24日公開

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