(CNN) アフリカ東部のセイシェル沖で海賊に船を乗っ取られ、人質にされていた船員26人が約5年ぶりに解放されたことが24日までに分かった。解放交渉を仲介した海賊問題対策の非営利組織(NPO)OBPの関係者が明らかにした。
OBPによると、オマーン船籍の漁船は2012年3月に乗っ取られ、乗員29人のうち1人は襲撃を受けた際に死亡、2人は拘束されている間に病死した。
人質は全員が男性で、カンボジア、中国、インドネシア、フィリピン、台湾、ベトナムの国籍だった。
解放されたのは22日で、国連機を使って出身国に帰国させる。OBPは身代金が支払われたのかどうかなど、人質解放の詳しい条件を明らかにしていない。
26人は全員が栄養失調状態にあるといい、4人は治療を受けている。拘束されていた期間は、2015年2月に4年10カ月ぶりに解放された人質4人に次ぐ長さだった。
ソマリア沖では船舶の乗っ取り事件が横行し、人質解放のために多額の身代金が支払われていた。ここ数年で海賊事件は減ったものの、国際社会は対応を迫られて経済的な打撃を被った。
国連が2013年にまとめた報告書によれば、貿易にかかるコストの増大で世界経済への影響は年間180億ドルに上った。同海域の海運活動は減退し、周辺国の観光収入は激減した。