中国当局のGDPに疑問の声、「5%前後」の独自試算も

当局発表のGDPについては一部で疑問の声も

2016.10.19 Wed posted at 18:50 JST

香港(CNNMoney) 中国政府が19日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増と、3期連続で同水準の成長率を示しており、一見安定した成長が続いているようだ。しかし、一部のアナリストらはこの数字が実態を反映していないとの見方を示している。

中国経済は今年、不動産市場の過熱と公共投資や融資の拡大に支えられて安定成長を維持してきた。これに対して英調査会社キャピタル・エコノミクスの専門家、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「政府が発表するGDPの数字は安定しているが、そこから中国経済の実態は見えてこない」と指摘する。

プリチャード氏は研究報告の中で「近年の経済回復は結局、融資拡大と不動産市場の高騰を原動力とする一時的な現象で、長続きしないだろう」と述べている。

主要都市の不動産価格が高騰する一方で民間投資が減速し、債務が急増している。アナリストらはこうした問題が将来の経済成長に及ぼす影響に懸念を示す。

中国は輸出や公共投資に依存する経済からの脱却を目指している

今後は融資を抑え、不動産市場を沈静化していく必要があり、結果として成長率はより不安定になることが予想されるという。

政府発表の成長率については専門家だけでなく、当局者の間からも正確さを疑問視する声が上がっている。そのため、独自の基準で実態を測ろうとする動きも出てきた。

プリチャード氏は「実際の成長率は政府発表より低い」との考えから、キャピタル・エコノミクスの推定値として「7~9月期は5%前後」との数字を示した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。