テロ計画容疑でシリア難民の男逮捕、ISISと関連か 独

22歳のシリア人の男が逮捕された

2016.10.11 Tue posted at 09:58 JST

(CNN) ドイツ東部ザクセン州ケムニッツのアパートから強力な爆弾が見つかった事件で、当局は10日、行方を追っていたシリア難民の男を逮捕したと明らかにした。イスラム過激思想に基づく爆弾テロを計画していたとみられ、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」とのつながりが疑われるという。

逮捕されたのはジャバル・アルバクル容疑者(22)。州警察が2日間にわたる捜索の末、ケムニッツから約100キロ離れた同州ライプツィヒのアパートで発見した。

このアパートに住むシリア人男性2人は8日、ライプツィヒ市内の鉄道駅でアルバクル容疑者と知り合い、泊めてほしいと頼まれた。2人はこれに応じたが、同日夜にインターネットのソーシャルサイトを通し、同容疑者が警察に手配されていることを知った。2人は同容疑者をアパートのソファに縛り付けたうえでソーシャルサイト上で警察に通報し、出動を要請したという。

警察は安全上の理由から、この2人の身元を公表していない。メルケル首相は2人が率先して警察に協力したことをたたえた。

当局の調べによると、アルバクル容疑者は自爆ベストを使ったテロを計画していたとみられる。具体的な標的はまだ明らかになっていない。

住居で爆発物が見つかり、一部地域を警察が封鎖した

警察は8日、同容疑者が住んでいたとみられるケムニッツのアパートで破壊力の強い爆発物を発見していた。ISISがパリやブリュッセルでのテロに使ったのと同じ「TATP(過酸化アセトン)」爆薬だった可能性が高い。

デメジエール内相は10日に発表した声明で、「ケムニッツで進められていたテロの準備は我々の知る限り、パリとブリュッセルで起きたテロの準備に似ている」と述べた。

同州内務当局によると、アルバクル容疑者は昨年2月にドイツに入国。1年後に正式な難民申請を出し、今年6月に認定されていた。

同容疑者のほかにもう1人、33歳の男も逮捕された。この男は昨年11月にドイツ入りし、今年3月に難民の認定を受けた。

ドイツでは難民に寛容な政策をとるメルケル首相の下、昨年1年間だけでシリアなどから100万人以上が流入した。国内では今年、難民による事件が続発。大事には至っていないものの、当局が警戒を強化している。

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