攻撃続くアレッポ、向こう2カ月で「完全な壊滅も」 国連特使

激しい空爆にさらされるアレッポ。このままでは街全体が破壊し尽くされる恐れも

2016.10.07 Fri posted at 13:28 JST

(CNN) 国連のデミストゥラ・シリア担当特使は6日、シリア北部の都市アレッポ全域が破壊されかねないと訴えた。

同特使によると、現状のまま攻撃が続いた場合、アレッポ全域は2カ月ほどで「破壊し尽くされるかも知れない」という。

その上で同特使は「このまま事態を大きく変える要素が出てこなければ、アレッポでは残酷で絶え間ない軍事力の行使、爆撃や戦闘や破壊が続くだろう」と警告した。

国連によれば、アレッポでは過去2週間で少なくとも376人が死亡し、1266人が負傷した。デミストゥラ特使は、これは医療施設に限った数字であり、実際の被害者数ははるかに多いとの見方を示した。

一方フランスは同日、アレッポにおける人道危機に終止符を打つための外交努力に着手。国連安保理に決議案を提出した。

モスクワを訪問中のエロー仏外相はロシアのラブロフ外相と合同記者会見を開き、アレッポの「状況は深刻だ」との考えを示した。

政府軍の攻撃により、アレッポ東部地区への支援物資の供給は途絶えている

またラブロフ外相は、他の国連決議や米ロによる停戦合意と矛盾しない限り、ロシアはフランスの安保理決議案に「協力する用意がある」と述べた。

エロー外相によれば、決議案は「即時の空爆停止、そして一般市民の人道援助への即時アクセス」に道を開くものだという。

シリア国営メディアと英国に本拠を置く監視団体によれば、シリア政府軍は6日、反体制派が支配するアレッポ東部の重要地点を占領した。

ロシア軍の支援を受けた政府軍は、反体制派が支配するアレッポ東部に激しい砲撃を加えている。包囲戦が始まった7月以降、東部地区への食料や医薬品、燃料の新たな供給は不可能になっている。

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