米NSAで新たに国家機密漏出、委託業務の男逮捕

国家安全保障局(NSA)絡みで新たな国家機密の漏洩が発覚した=NSA

2016.10.06 Thu posted at 17:21 JST

ワシントン(CNN) 米司法省は5日、米情報機関の国家安全保障局(NSA)の契約委託企業に勤務していた際、極秘指定を含む機密情報を盗んでいた疑いで51歳の男を今年8月下旬に逮捕、訴追していたことを明らかにした。

情報は印刷した用紙やデジタル機器などで無断で持ち出し、自宅や関係先の捜索で見付かった。米連邦捜査局(FBI)はこれら情報の中には外国のコンピューターシステムに不正侵入する手段の詳細が含まれているとも見ている。

極秘指定は、暴露された場合、国家安全保障に重大な損害を与えかねない情報が対象となっている。

容疑者の犯行の動機はわかっていない。ただ、情報の持ち出しの背後に外国の存在があるとは見ていない。政府財産の窃盗や機密指定の文書などの無許可の移動、保持の罪に問われている。

今回の事件の刑事訴状によると、逮捕されたのは米メリーランド州居住のハロルド・トーマス・マーティン容疑者。捜査当局筋によると、容疑者はNSAの委託企業「ブーズ・アレン・ハミルトン」に勤務していた。

同社は声明で、実名を伏せながらも社員1人が逮捕されたことを認め、解雇を発表すると共に、捜査には全面的に協力していることを明らかにした。

2013年に、NSAによる広範な個人情報収集活動を暴露したスノーデン容疑者

CNNの調べによると、マーティン容疑者は海軍や海軍予備役兵士として10年以上従軍の軍歴がある。最後の階級は大尉で、複数の受章歴もある。

NSA絡みでは2013年、中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者による機密文書漏洩(ろうえい)が発覚し、NSAによる広範な個人情報収集活動が暴露された。盗聴対象には外国政府首脳などが含まれ、外交問題にも発展していた。

スノーデン容疑者もブーズ・アレン・ハミルトン社に勤務歴があったが、マーティン容疑者との知己関係などは不明。スノーデン容疑者はマーティン容疑者逮捕のニュースを受け、NSAの機密情報の漏出と関係があるのだろうとツイッター上で述べた。

マーティン容疑者の逮捕のニュースは米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じていた。

米国では今年8月、「シャドー・ブローカーズ」と称するグループが、NSAが外国政府などのコンピューターシステムに侵入するために使う極秘扱いのコードとみられるものを暴露する事件があった。この事件と今回のマーティン容疑者の関連性は不明となっている。

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