リポーターがアジア人蔑視? 米街頭インタビューに批判殺到

2016.10.06 Thu posted at 16:21 JST

ロサンゼルス(CNNMoney) 米フォックスニュースのリポーターがチャイナタウンで行った街頭インタビューに対し、アジア人をひとくくりにする内容で、偏見に満ちているとして批判の声が強まっている。本人は5日、この問題についてツイッターにコメントを投稿した。

問題になっているのは3日夜に放送された番組で、リポーターのジェシー・ウォターズ氏がニューヨーク市のチャイナタウンに出かけて大統領選について街の人たちにインタビューした場面。

大統領選と米中関係をテーマに政治について意見を聴くインタビューのはずだったが、ウォターズ氏は街で出会った人たちに「あいさつする時はお辞儀をすべき?」と尋ねたり、露天商が盗品の時計を売っていると発言したり、「空手を知っている?」と尋ねたりしていた。ちなみに空手は沖縄を発祥とする。

ウォターズ氏のこうした発言についてニューヨーク・タイムズ紙のファルハド・マンジョー記者は「私が見た中でも特にあからさまな人種差別」と酷評した。

「ウォターズ氏がやったのは、考えられる限り最も愚かなアジア人に対する偏見で、出会った人たちを笑いものにすることだった。彼らは明らかに、意見を聴く相手ではなく、ウォターズ氏が自分と視聴者にとっての愉快な冗談と思ったことのための小道具にされた」。ニュースサイト「ヴォックス」のリビー・ネルソン氏はそう指摘する。

番組司会者のビル・オライリー氏でさえも、このインタビューの放映後に「投書が来そうだ」と話していた。

ウォターズ氏はステレオタイプをネタにした冗談で笑いを取るのが得意なリポーター。別のインタビューでもイタリア系米国人やアーミッシュを笑いものにしている。

しかし今回は度を越したと見なされ、ニューヨーク州のダニエル・スクアドロン上院議員やハワイ出身のブライアン・シャッツ上院議員といった政治家からも批判が相次いだ。

ウォターズ氏は5日、ツイッターへの投稿で、「政治的ユーモアを追求する立場から、チャイナタウンのインタビューは軽さを指向した」「街頭インタビューは冗談のつもりだったが、もし誰かの気分を害したとしたら残念に思う」とコメントしている。

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