フィリピン大統領また暴言 オバマ氏に「地獄へ落ちるがいい」

フィリピンのドゥテルテ大統領が米国やEUに対してまたしても問題発言

2016.10.05 Wed posted at 10:04 JST

マニラ(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領は4日の演説で、米国とは縁を切ってもいいとの考えを示し、オバマ米大統領に向けて「地獄へ落ちるがいい」と暴言を吐いた。

フィリピンの首都マニラでは、同日から12日までの日程で合同軍事演習が実施されている。ドゥテルテ氏は先週、「これが最後の合同演習になることを米国に通告する」とも発言していた。

同氏は強硬な麻薬撲滅作戦を展開し、これに対する米当局からの批判に強い反発を示してきた。

4日の演説では外交政策の転換も辞さないと述べ、米国よりロシアや中国を選ぶと言明。オバマ氏は地獄へ、欧州連合(EU)も「煉獄(れんごく)」へ行った方がいいと言い放った。

麻薬密売人の取り締まりについては「最後の1人が街から消えるまで容赦しない」と力説。南部ダバオ市の市長時代に「犯罪者は私の街から出ていかなければ殺す」と宣告したことを振り返り、「市長として、あるいは大統領としても、犯罪者を威嚇してはいけないという法律はどこにもない」と主張した。

厳しい麻薬撲滅作戦の結果、フィリピンの刑務所は大勢の受刑者であふれかえる事態に

米国のアーネスト大統領報道官はドゥテルテ氏のこうした発言について、フィリピンとの「温かい関係」にはそぐわないと強調。同国から二国間関係の変更を求める知らせは届いていないと述べた。

ただし同時に、フィリピンの麻薬撲滅作戦で多数の死者が出ていることについては「普遍的な人権尊重の価値観と真っ向から対立する」と批判し、米国として「ためらうことなく懸念を表明する」との姿勢を示した。

ドゥテルテ氏はこれまでもオバマ大統領やゴールドバーグ駐フィリピン米大使に対して侮辱的な言葉を投げ付けてきた。米投資家らは同国の法治体制の行方に懸念を示し始めている。

一方でカーター米国防長官は先週、長年にわたるフィリピンとの同盟関係は「鉄壁」だと強調した。

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