ロシアが米に警告、シリア政権への攻撃は「中東に悪影響」

シリアのアサド大統領

2016.10.02 Sun posted at 12:19 JST

(CNN) 事実上停戦が崩壊したシリア情勢をめぐり、ロシアの国営スプートニク通信は2日までに、外務省報道官の話として、米国がシリア政権に対して直接行動に出れば中東地域全体に大きな悪影響を及ぼすとの警告を発した。アサド大統領が追放されれば権力の空白が生じ、「あらゆるたぐいのテロリスト」がその空白を埋めると予想されるためだという。

シリアでは米国、ロシア主導の停戦合意が崩壊した9月22日以降、450人以上の死者が出ているとされ、過去5年間に及ぶ内戦の中でも最悪の事態に陥っている。

反体制派団体「アレッポ・メディア・センター(AMC)」の活動家によれば、ロシア軍の支援を受けるアサド政権軍が市場や病院、モスク(イスラム教礼拝所)など、人の集まる場所を狙って攻撃を仕掛けている。

米国のケリー国務長官は最近、シリア市民団体との会合で、米国の介入強化を求める声に共感を示したことが、CNNの入手した録音テープで明らかになった。

空爆により破壊された車両。アレッポに対する攻撃が続いている

アレッポ東部は砲撃や空爆で都市基盤が破壊され、大半の地区で水の供給が停止している。

在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(SOHR)」によると、30日に女性や子どもを含む36人が死亡し、1日にはさらに旧市街や住宅地で多くの爆撃や交戦があった。

一方で国営シリア・アラブ通信(SANA)は、30日にアレッポで「テロリストによるロケット弾攻撃」があり、13人が死亡したと伝えた。

政権軍がアレッポ制圧作戦に向け、推定1万人の兵士を結集させているとの情報もある。

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