カシミールで衝突、パキスタン兵2人死亡

テロの阻止を図ったとするインド軍の攻撃にパキスタン軍が応戦。銃撃戦に発展した

2016.09.30 Fri posted at 13:00 JST

(CNN) パキスタンとインドが領有権を争うカシミール地方でインド軍がテロ攻撃阻止を理由とする攻撃を行い、パキスタン軍によると同国軍の兵士2人が死亡した。

インド軍高官は記者団に対して29日、武装勢力がインド市民を狙った攻撃を計画しているという「具体的な信頼できる情報」があったと主張。インドはこの情報に基づき、国境を越えてテロの拠点を標的とする攻撃を行ったと強調している。

これに対してパキスタン側は、同国が支配する地域に進攻された事実はなく、銃撃戦があっただけだと説明した。

インド政府当局者によると、国境に近いジャム・カシミール州のジャム地区では一部の住民が避難し、29日夕は教育機関にも休校を命じたという。

同州では2週間前にも、軍の拠点が武装集団に襲撃されてインド兵18人が死亡する事件が起きていた。

今回の衝突でカシミール地方での緊張に拍車がかかる可能性がある

パキスタンのシャリフ首相は今回の衝突について、「理不尽であからさまな侵略」だったとしてインド軍を非難。パキスタン軍には自国の領土を守る能力があり、同国に対する「悪事」はいかなる場合も阻止すると強調した。

アシフ国防相も同国軍の対応は適切だったと述べ、「もしインドが再度同じことをしようとすれば、われわれは強硬な対応に出る。インドはマスコミや一般を喜ばせるためにやっているにすぎない」と述べている。

同国外務省は、テロの拠点に絞った攻撃だったとするインドの主張について「事実無根」と一蹴、インドは意図的にカシミール地方の緊張を増大させていると非難した。

国連も29日、今回の事態について「重大な懸念」を示して両国に自制を求め、「引き続き対話を通じて平和的な解決を図るよう促す」とした。

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