議員の女性比率ランキング、日本はサウジより下

日本の議員の女性比率は9.5%とのデータが示された=列国議会同盟

2016.09.30 Fri posted at 12:06 JST

東京(CNNMoney) 日本は世界有数の民主大国かも知れないが、こと女性の政界進出となると進んでいるとはとうてい言えない。列国議会同盟(IPU)のデータによれば、日本の国会議員(衆議院、定数475)に占める女性の割合は10%未満。サウジアラビアや南スーダンと比べてもはるかに低く、ランキングにある200近い国々の中で157位だ。

「日本はアジア諸国の中でも、富裕国の中でも、民主主義国家の中でも最低ランクの国の1つだ」と語るのは、上智大学でジェンダー・ポリティクスなどを研究する三浦まり教授だ。「女性を増やそうという政治的意志がなく、システム自体が女性候補にあまり好意的でない」

専門家の間からは、地方選挙や国政選挙で女性候補者の数を増やすため、立候補者の一定割合を女性にすることを義務化する「クオータ制」の導入を求める声が以前から上がっている。だが導入法案は今のところ、国会を通過するに至っていない。

反対派は、クオータ制は女性(そして十分な資格のない候補)を有利にするもので不公平だと主張する。だが三浦教授ら専門家は、具体的な数値目標なしに日本で男女が公平に参画する政府を作るのは不可能だと考える。

クオータ制が法制化されれば、女性候補発掘に向けた努力を各政党に求めることが今より容易になるだろうと三浦教授は言う。

野党・民進党の辻元清美衆議院議員は、女性の政界や公職への進出はよりよい政策につながると考える。公職に就いた女性が「母親や子どもに優しい多くの政策を導入する」ことは多いと辻元議員は言う。

こうした政策から好循環が生まれる可能性がある。育児支援の充実により、政界進出を考える女性も増えるのではと辻元議員は言う。

「すべての女性が輝く社会づくり」の推進を掲げる安倍晋三首相

もっとも当選は最初の1歩に過ぎない。議員となった後も、女性を待ち受けるのはさらなる試練だ。

辻元議員自身、国会で質問に立った際に、安倍首相に言葉をさえぎられるという経験をしている。辻元議員によれば、首相は男性議員の発言や質問をさえぎることはなく、これは異例な出来事だ。「インターネット上でも私は多くのバッシングを受けている。男性の政治家ならありえないような非常にひどいやり方で」と辻元議員は言う。

女性に参政権が与えられて初の選挙となった1946年に衆議院議員となった女性の数は39人。現在の女性議員の数は、それを少し上回るに過ぎず、変化は遅い。

もっとも、状況は少しずつ進歩しているのかも知れない。最近、女性が政界で重要な役職に相次いで就いて大きな話題となっている。東京都知事選では小池百合子氏が当選し、民進党では蓮舫参議院議員が代表に選ばれ、安倍政権では稲田朋美防衛相が誕生した。3人とも、日本初の女性首相の座を狙っていると言われる人物だ。

世界中で女性リーダーが誕生している中、日本政界もようやく女性の役割の拡大を「グローバルトレンドの一部として」受け入れつつあるのかも知れないと辻元議員は語った。

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