香港(CNNMoney) いくら人気のおいしいレストランでも、行列に並んで長時間待つのはつらいもの。そんな行列待ちのつらさを解消する「動く椅子」を日産自動車が開発した。
この「プロパイロットチェア」は、自動運転で行列を作る椅子だ。お互いの存在を検知して順番に並んで動き、一番前の椅子が空っぽになると、自動的に列の最後尾に移動する。
怠け者の夢が実現したようなこの椅子に使われているのは、日産の広報担当者によればミニバン「セレナ」に搭載された機能と同じ技術だ。
セレナは完全な自動運転車ではないが、前面カメラとセンサーを使って自動的にカーブを検知して曲がったり、後ろの車に追い抜かれそうになったら速度を緩めたり、前の車が速度を上げたら加速したりできる。
現時点でこうした半自動運転機能が使えるのは高速道路上だけだが、日産は2020年までに混雑した市街地でも自動運転が可能な車を作るという大がかりな計画を掲げている。
現在、プロパイロットチェアは横浜のギャラリーに展示されているが、来年以降、一部のレストランで試験的に導入される見通し。
以後導入を拡大するかどうかについては、一般からの反応を見て判断するという。
日産が「賢い」椅子を開発したのはこれが初めてではない。2月には、自動駐車技術を応用して自動的に定位置に戻るオフィス用の椅子を発表した。手を叩くと、椅子は勝手に机の前に整列する。まるで魔法のようだ。