米議会、テロ支援者制裁法を可決 オバマ氏の拒否権覆す

米議会がオバマ大統領の拒否権を覆し、同時多発テロ関連の法案を再可決した

2016.09.29 Thu posted at 13:33 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米上下両院は28日、米同時多発テロに関与した外国政府を相手取った訴訟を可能にする法案を再可決し、オバマ大統領の拒否権を覆した。大統領の拒否権が覆されるのはオバマ政権になって初めて。

上下両院ともに票差は圧倒的だった。上院では反対票を投じたのは民主党のリード院内総務のみ。続く下院でも、賛成348に対し反対は77だった。

オバマ大統領はCNNの番組に出演し、議会が圧倒的多数の賛成で拒否権を覆したことは、直後の選挙戦をにらんだ「政治的な投票」だったと述べた。

同大統領は「今回の事例が示すのは、なぜ人は時として困難なことに取り組まなくてはならないのかという点だ。率直に言って議会には、あえて困難なことに踏み込んでほしかった」と述べた。

オバマ政権で大統領の拒否権が覆されたのは初めて

オバマ氏は続けて「選挙直前の時期に9・11の遺族の意志に反する投票をしたと世間から思われるとなれば、(拒否権を支持して)票を投じるのが困難だったことは想像に難くない。だがそれこそが正しい行動だったはずだ。実際には、大筋で政治的な投票が行われてしまったわけだが」と語った。

この法律は「テロ支援者制裁法(JASTA)」と呼ばれ、米国で起きたテロ事件について、テロに関与したとされる外国政府を相手取って米国内の裁判所で訴訟を起こすことを認めるという内容。オバマ大統領は、軍や外交官の行為をめぐって米政府が訴えられる可能性に道を開くとして反対していた。

またオバマ大統領は、中東における重要な同盟国であるサウジアラビアなどとの関係にも悪影響を与えると主張していた。

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