ウェルズ・ファーゴCEO、報酬の大半を返上 不正口座問題

2016.09.28 Wed posted at 14:31 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米大手銀行ウェルズ・ファーゴで不正な口座開設などが横行していた問題の発覚を受け、ジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)は今年の報酬の大半を返上する見通しとなった。

ウェルズ・ファーゴの取締役会は27日、同行の営業活動について新たな調査を開始すると発表した。CNNMoneyが複数の従業員から得た情報によると、売り上げ目標を達成するため顧客に無断で口座を開設する行為は、同行がこれまでに認めている時期よりさらに前から始まった可能性がある。

取締役会による調査期間中、スタンプ氏は報酬を返上する。この中には賞与や4100万ドル(約41億円)相当の株式報酬が含まれる。

スタンプ氏が昨年受け取った報酬は1930万ドル。その一部は口座数の増加に対する報酬だったが、増加分のうち数百万件は偽口座だったと判明している。

ウェルズ・ファーゴの発表によると、不正口座が開設された部門の元トップ、キャリー・トルステッド氏は退職した。この問題をめぐって重役が職を去るのは初めて。同氏は年末に退職する予定だった。退職金や賞与は受け取らず、1900万ドル相当の株式報酬を辞退する。3400万ドルのストックオプションについても、調査期間中は行使しないことで合意した。

ただし、この問題を追及しているエリザベス・ウォーレン上院議員がウェルズ・ファーゴから受け取った書簡によると、トルステッド氏は在任中に約4330万ドル相当の株式を獲得していた。ストックオプションと合わせ、多額の資産を手にして同行を去ることになりそうだ。

筆頭独立取締役のスティーブ・サンガー氏は声明で、調査の結果によっては今後も役員報酬の回収や「雇用関連の措置」があり得ると述べた。ウォーレン議員らはスタンプ氏の解任を要求しているが、その可能性が含まれるかどうかは明らかでない。

下院では29日に金融委員会の公聴会が予定されている。

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