世界人口の92%、大気汚染の中で生活 WHO

大気汚染が深刻な中国山西省の臨汾市

2016.09.28 Wed posted at 12:31 JST

(CNN) 世界保健機関(WHO)は27日、世界の大気汚染物質の分布状況を示した双方向地図を公開し、世界の人口の92%がWHOの基準値を超す汚染された大気の中で生活している現状を明らかにした。

大気汚染は肺や心臓、脳にさえも健康被害をもたらすと専門家は警告する。WHOによれば、世界では大気汚染に関連して年間約300万人が死亡している。

大気汚染の程度は一部で改善が見られるものの、世界各地の都市部で2008~13年にかけて8%悪化した。

WHOの分布図は、2008~15年にかけて人工衛星や地上基地局を使って世界103カ国約3000カ所で測定した微小粒子状物質(PM)などの値をもとに作成した。

微小粒子状物質の中でも最も危険性が高いPM2.5について、WHOが定める環境基準値は年間1立方メートル当たり10マイクログラム以下。しかし世界の人口の92%は、この基準値を超す地域に集中していることが分かった。

ロンドンやニューヨークなど、欧米の主要都市でも大気中の汚染物質の濃度は高かった

大気汚染が深刻な地域の多くは西太平洋沿岸、地中海沿岸、アフリカのサハラ砂漠以南、東南アジアに分布。大気汚染関連死のほぼ90%は低~中所得の国に集中していた。

一方、パリやロンドンなど欧州の主要都市、ロサンゼルスやニューヨーク、シカゴといった米国の大都市でもPMの濃度が高かった。

WHOは各国政府に対し、汚染源を調査してその情報を政策立案者と共有し、改善を目指すよう勧告している。

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