米軍駐留基地にマスタード弾着弾、ISISか イラク北部

モスル近郊のカイヤラ空軍基地

2016.09.22 Thu posted at 10:46 JST

ワシントン(CNN) 米軍などが展開するイラク北部モスル近郊のカイヤラ空軍基地で20日、マスタード剤とみられる物質を搭載した砲弾が着弾していたことが分かった。砲弾は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が発射したものではないかとみられている。複数の米当局者が22日までに明らかにした。

当局者らはこの砲弾について、ロケット弾もしくは大砲弾と分類している。カイヤラ空軍基地に着弾した後、米軍がこれを検査したところ、マスタード剤とみられる化学薬品の反応を示す初期結果が得られた。

米国防総省の当局者によると、着弾した砲弾から不審な物質が発見されたのを受け、2回にわたる野外検査が実施された。1回目は陽性、2回目は陰性の結果が出たという。この物質は現在、さらなる調査のため研究施設に送付されている。

米軍要員に負傷者は出なかった。水ぶくれなどマスタード剤にさらされた場合に現れる症状を示している要員もいない。今回の件に関係した要員らは念のため除染措置を受けた。

モスル奪還へ前線へと移動するイラク軍

当局者の1人はこの物質について、純度が低く、兵器化も不完全だと指摘。別の当局者は効果的がないものとの見方を示した。

当局者らによれば、モスル奪還に向けた取り組みが進むなか、ISISが化学兵器を使う可能性については事前に予想されていた。

カイヤラ空軍基地はイラク軍部隊への支援拠点として、数百人規模の米軍要員が使用している。

米国防総省はこうした情報を総合したうえで、砲撃はISISが行ったものとの初期評価を下したという。

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