シリア難民7万5000人、砂漠地帯で足止め 支援も届かず

ヨルダンとの国境で足止めされる大量のシリア難民をとらえた衛星画像

2016.09.16 Fri posted at 13:25 JST

(CNN) シリアの内戦を逃れた難民が隣国ヨルダンへの入国を阻まれ、支援物資も届かなくなった無人の砂漠地帯で7万5000人が何カ月も足止めされている。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが15日に映像を公開して明らかにした。

ヨルダン北東部の砂漠地帯、ルクバンに、仮設の難民キャンプが広がる。同地はシリアとの国境地帯にあり、イラクとの国境にも近い。同キャンプのシェルター数は1年前の368から、今月に入って8295に増えたという。

絶望的な状況の中で死亡した多数の難民の埋葬地とする映像も公開された。

アムネスティによると、難民キャンプでは食料が底を突きかけ、疾病が蔓延。当局による封鎖のために支援や治療が受けられず、予防可能な疾患で命を落とす人もいるという。

ヨルダンは、これまでに100万人以上のシリア難民を受け入れ、うち65万人が国連に難民として認定されていると説明する。この1年は安全上の懸念を理由にシリアからの難民流入を制限してきた。

支援の途絶えた難民キャンプでは疾病が蔓延しているという

ルクバンでは今年6月、車を使った自爆テロでヨルダン治安部隊の少なくとも6人が死亡する事件が発生。ただでさえ限られていた人道援助が実質的に途絶えた。

事件を受けてヨルダンはシリアとの国境地帯を「軍事閉鎖区域」に指定して、ルクバン検問所を封鎖した。それでも同地を目指すシリア難民の流れは止まらなかった。

以来、難民キャンプに食料が届いたのは1度のみ。援助団体はこの区域への立ち入りを禁止されているため、クレーンを使って支援物資を投下しなければならなかった。

難民の窮状は深まる一方で、不衛生な環境のために肝炎が流行。死者の数も確認できていないという。

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