(CNN) 南米チリの首都サンティアゴで撮影された、デモ参加者の若い女性が機動隊員をにらみつける写真がインターネット上で話題になっている。
このデモは、軍事クーデターから43年目を迎えた11日に行われたもの。クーデターでは当時のアジェンデ大統領が死亡し、ピノチェト陸軍司令官(のちに大統領)率いる軍事政権が成立した。
デモ隊は17年間続いたピノチェト独裁政権下での犠牲者を追悼した。のちにピノチェト大統領は数万人に対する拷問や殺害を命じたとして起訴されたが、裁判を受けることなく2006年に死去した。
デモを組織したのはピノチェト政権下で拘束されたり殺害されたりして消息不明になった人々の家族の団体だ。
問題の写真はロイターの写真家カルロス・ベラ・マンシジャ氏がデモ隊が集まったサンティアゴの墓地の近くで撮影した。
警察はデモ参加者の逮捕を始めた。マンシジャ氏が地元メディアに語ったところでは、この女性の友人2人も拘束され、女性は「反発し、警官の前に立ってにらみつけた」のだという。マンシジャ氏は女性に名前を尋ねなかったため、身元は分かっていない。
この写真はソーシャルメディアで数万回もシェアされた。1989年の天安門事件で戦車の前に立ちはだかった男性の写真を思い起こす人もいた。
今回のデモでは7人の警官が負傷し、49人が逮捕された。
チリ内務省によれば、デモ隊と警察の間では140件ほどの小競り合いが起きたが、昨年ほど激しいものではなかったという。