(CNN) 米国とロシアがシリアの停戦について48時間の延長で合意したことを受け、政府軍に包囲されて住民が孤立しているシリア東部の都市アレッポに支援物資が届く可能性が出てきた。
シリアと国境を接するトルコのジルベゴズでは、政府軍に包囲されて住民が孤立しているアレッポへ食料や医薬品などの支援物資を届けるため、車列が待機している。
国連によれば、アレッポでは25万~27万5000人が7月初旬以来、物資の供給を断たれている。
現地で活動する医療支援団体の関係者は、支援物資が届くことを今も期待していると語り、まだどうなるかは分からないとしながらも、「この数日は、過去5年あまりの中で最高だった。この状況は期待が持てる。明日どうなるかを見極めたい」と語った。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、人道支援の車列はシリア国内での安全が保証されるのを待っている状況だといい、「準備は整っている。状況が許せばすぐにでも動く」と語った。
シリア外務省は、アレッポへの支援物資搬入は政府と国連が連携して行う場合のみ認めると強調している。
ロシア国営タス通信は、シリア軍が人道支援車両を安全に通過させるため、アレッポの主要道から撤収する準備を整えたと伝えた。
一方、シリア政府はこの情報について確認も発表もしていない。
アレッポの活動家は、米国とロシアの合意によって人道支援物資供給への道が開けたのは初めてだと評価している。
国連のデミストゥラ・シリア担当特使は、12日の停戦発効以来、衝突は大幅に減ったと説明した。
アレッポの活動家によれば、散発的な空爆などはあるものの、アレッポでは全般的に平穏な状況が続き、大きな衝突は起きていないという。
今回の停戦は人道支援物資を届けることに目的があり、シリア政府と反体制派に暴力の停止を呼びかけた。