イスラエルのペレス前大統領、脳卒中で重体 オスロ合意に尽力

イスラエルのペレス前大統領

2016.09.14 Wed posted at 18:12 JST

エルサレム(CNN) イスラエルのシモン・ペレス前大統領(93)が13日、脳卒中で倒れた。大統領府と入院先の病院によると、容体は重篤だが安定している。

担当医は13日、出血を伴う脳卒中だと述べた。声明によると、医師団は協議の結果、現時点で手術が適当と考えられる状況ではないと判断した。

入院先はテルアビブ近郊ラマトガンの病院。意識レベルを下げ、気管チューブを入れた状態で、集中治療室にとどまる見通しだ。

ペレス氏の息子のケミ氏は「父は特別な人。今はつらい時間だが希望を持ち続けている」「父が国民のこと、イスラエルのことを第一に考えていたことを私は知っている。この場を借りて父に代わり、全ての皆さんに愛を送ります」と語った。

ペレス氏は半世紀以上にわたってイスラエル政界で活躍し、2014年に7年間の任期を全うして大統領職を退いた。国防相などあらゆる閣僚を歴任し、首相を2回務めた。

ノーベル平和賞を受けた(左から)ヤセル・アラファト氏、シモン・ペレス氏、イツハク・ラビン氏

1980年代から90年代にかけてイツハク・ラビン氏と労働党党首の座を争ったが、その後ラビン政権の外相としてパレスチナ和平交渉を推進。パレスチナ暫定自治協定(オスロ合意)を成立させた業績を認められ、ラビン氏、パレスチナ自治政府議長だったヤセル・アラファト氏とともに94年のノーベル平和賞を受賞した。

大統領在任中の12年にはオバマ米大統領から、文民に贈られる米勲章として最高位の大統領自由勲章を授与された。

退任後も中東和平の実現に向け、公の場で発言を続けてきた。

今年1月には軽度の心臓発作で緊急手術を受けた。すぐに退院する強気ぶりを見せたものの、10日後に不整脈で再び病院へ運ばれる騒ぎがあった。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。