北極海で沈没船発見、170年前に消えた探検船テラーか

170年ぶりに発見か

2016.09.14 Wed posted at 13:39 JST

(CNN) 北西航路を開拓する航海の途中で消息が途絶え、世界の航海史上最大級の謎とされてきた「HMSテラー」と思われる沈没船が約170年ぶりに発見されたことが14日までに分かった。

沈没船は、北極海の探索を行っていた調査団が、カナダ北部キングウィリアム島沖の深さ約24メートルの海底に沈んでいるのを発見した。船体はほぼ完全な形で残り、窓ガラスもほぼ無傷のままだといい、調査団の広報は「引き揚げて水を抜けば多分浮かぶだろう」と話している。

調査団はイヌイットのレンジャーが7年前、氷の間から突き出たマストを見たという証言を手がかりに捜索を行っていた。今後専門家が沈没船の画像や映像を調べ、HMSテラーかどうかを確認する。

英探検家のジョン・フランクリンが指揮していたHMSテラーは1840年代、姉妹船のHMSエレバスとともに消息を絶ち、乗員129人も全員が行方不明になった。

2隻は1845年5月19日、大西洋から北極海諸島を経由して太平洋に抜ける北西航路を探す航海に出航。しかし48年4月、氷に阻まれて動けなくなり、補給物資が残り少なくなったために乗員は船を捨てて脱出した。

乗員たちは北極圏の過酷な天候の中、徒歩で南を目指したが、1人ひとり力尽きていった。その後何度も派遣された捜索隊が発見したのは、遺骨や経緯を記した日記のみだった。

HMSエレバスは2014年9月、キングウィリアム島沖の海底で発見されている。

170年前に消えた探検船か

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