サンフランシスコ（ＣＮＮＭｏｎｅｙ） 米アップルは７日、サンフランシスコで発表会を開き、次世代スマートフォン「ｉＰｈｏｎｅ（アイフォーン）７」やスマートウォッチ「Ａｐｐｌｅ Ｗａｔｃｈ」の新製品を発表した。
新型ｉＰｈｏｎｅの「ｉＰｈｏｎｅ７」「ｉＰｈｏｎｅ７ Ｐｌｕｓ」は耐水・防塵（ぼうじん）性能を備え、カメラ性能も向上。事前の予想通り、ヘッドホンの差し込み口がなくなった。
発表会に登場したティム・クック最高経営責任者（ＣＥＯ）は耐水・防塵性能について、防水とは違うものの、水に弱かったこれまでのｉＰｈｏｎｅに比べると進歩したと強調した。
ｉＰｈｏｎｅ７のカメラはいずれも新しいレンズを採用し、１２００万画素のセンサーや手ぶれ補正機能を搭載する。サイズの大きいＰｌｕｓにはレンズが２つ並ぶ。１つは広角レンズ、もう１つは望遠レンズで、２倍光学ズームと最大１０倍のデジタルズームが利用できる。
新しいホームボタンは圧力を感知するようになり、振動によってボタンの反応を知らせる。アップル幹部のフィル・シラー氏は、「これまでになかった新しい感覚と体験を創出する」と表現した。
色はこれまでのゴールド、シルバー、ローズゴールドに加えてジェットブラックとブラックが加わった。ＯＳは「ｉＯＳ１０」を搭載する。
発売は９月１６日、米国での価格は６４９ドル（約６万６０００円）から。容量はこれまでの１６ギガバイト（ＧＢ）モデルがなくなり、３２ＧＢ、１２８ＧＢ、２５６ＧＢの３種類になった。
ヘッドホンはこれまでのような差し込み口がなくなって、有線ヘッドホンは電源コネクターのＬｉｇｈｔｎｉｎｇに接続する仕様になった。ｉＰｈｏｎｅ７には有線ヘッドホン「ＥａｒＰｏｄｓ」が付属する。
有線ヘッドホンはアダプターを介してＬｉｇｈｔｎｉｎｇに接続＝Apple.comから
シラー氏はヘッドホン差し込み口をなくしたことについて、勇気の要る決断だったと告白し、「新しいこと、我々すべてにとって素晴らしいことをするために前進する勇気」だったと強調している。これまでのヘッドホンを使い続けるユーザーのためのアダプターも付属する。
アップルはワイヤレスヘッドホンの「ＡｉｒＰｏｄｓ」も１０月下旬に発売する。バッテリー持続時間は１回の充電で最大５時間。耳に装着すると赤外線センサーで感知する。マイクロホン機能も搭載し、内蔵の加速度計を使って音声操作機能の「Ｓｉｒｉ」にもアクセスできる。米国での販売価格は１５９ドル（約１万６０００円）。
この日はスマートウォッチの新モデル「Ａｐｐｌｅ Ｗａｔｃｈ Ｓｅｒｉｅｓ ２」も発表された。処理速度が５０％高速化して画面は明るくなり、ＧＰＳ機能も搭載。最大深度５０メートルまでの防水性能を備え、スピーカーの設計を変更して泳いだりした後は自動的に水が排出されるようにした。
１０月に発売予定で米国での販売価格は３６９ドル（約３万７５００円）から。スポーツ用品メーカー、ナイキとのタイアップ製品や、エルメスブランドの新しいバンドも登場する。超人気ゲームの「ポケモンＧＯ」も年内にＡｐｐｌｅ Ｗａｔｃｈで利用できるようになる。
ｉＯＳでプレーできるスーパーマリオゲーム「スーパーマリオラン」も年内に登場予定。７日の発表会に登場した任天堂の宮本茂氏は、壇上で同ゲームを披露した。
業務用ソフトの「ｉＷｏｒｋ」にはコラボレーションツール機能が追加された。ＭａｃとｉＰａｄ、ｉＰｈｏｎｅ、ウェブ用アプリの間で連携できるようになった。