パリ市が難民キャンプ開設へ、年内にも2カ所で計画

パリ都心部では初となる難民キャンプ設置の詳細が明らかに

2016.09.07 Wed posted at 12:01 JST

(CNN) パリのイダルゴ市長は6日、市内2カ所に難民キャンプを開設する計画の詳細を発表した。

パリ都心部に難民向け施設が設けられるのは初めて。キャンプ設置の方針は数カ月前に発表されていたが、その詳細が明らかになった。

ひとつは10月中旬のオープンをめざし、市北部で建設工事が進んでいる。主に短期滞在の男性を受け入れる。定員は400人だが、近い将来に600人まで増やす方針だ。

入国したばかりの難民らに社会福祉や法律相談、心身の健康管理などのサービスや、ほかの施設に関する情報も提供する。

イダルゴ市長は「この2年間でパリには過去に例のないほど多くの難民が流入している。毎日何十人もの難民が新たにやってくる」と述べた。これまでに受け入れた人数は約1万5000人に上るという。

パリ市が公表した難民向け施設のイメージイラスト

「公的スペースに次々と現れる仮設キャンプは健康面や安全面で問題があり、人々は劣悪な環境での暮らしを強いられている。周辺の住民にも迷惑がかかる」と、同市長は指摘する。

2件目のキャンプは市南東部の水道施設跡に建設中で、年内には完成する予定。こちらは家族連れ、単身女性や子どもたちの受け入れ施設となる。

国際慈善団体「エマウス」が両施設の運営にあたる予定だ。

パリ南郊のエソンヌでは5日から6日にかけ、難民向けに建設された入居前のキャンプで火災が発生。仏メディアは放火の疑いを指摘した。周辺ではキャンプの設置に対し、激しい反対運動が起きていた。イダルゴ市長は「卑劣で嘆かわしい犯罪行為だ」と非難し、犯人を見つけて処罰すると述べた。

一方、多数の難民が過酷な生活を送り、別名「ジャングル」とも呼ばれる仏北部カレー郊外の難民キャンプについては、カズヌーブ内相が最近、閉鎖の方針を表明している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。