10代の肥満、幼少時の夜更かしで確率2倍に 米調査

睡眠不足がもたらす身体への悪影響は、成長後も続く可能性があることが示された

2016.09.06 Tue posted at 11:45 JST

(CNN) 幼少時に夜更かししていた子どもが10代で肥満になっている確率は、早寝していた子どもの2倍に上るという研究結果が小児科学会誌の今月号に発表された。

子どもが十分な睡眠を取らないと肥満になりやすいといった健康リスクは以前から指摘されていたが、今回の調査では、そうした悪影響が成長してからも続く可能性があることが示された。

研究チームは子ども977人について就学前から青年期までの健康状態を追跡調査した統計を分析し、4歳半前後だった時の就寝時間と身長、体重、体格指数(BMI)などのデータを、15歳前後になった時のデータと比較した。

その結果、就学前の時点で午後8時までに就寝していた子どもが10代になった時の肥満率は10%だったのに対し、就学前の就寝時間が9時以降だった子どもは10代になると23%の割合で肥満になっていることが分かった。8時~9時の間に就寝していた子どもの肥満率は16%だった。

調査結果は、早めの就寝で子どもの肥満リスクが半減することを示唆する

この結果についてオハイオ州立大学のサラ・アンダーソン准教授は、「就学前の時点で平日の早い時間に就寝していた子どもは、就寝が遅かった子どもに比べ、青年期になってから肥満になるリスクが半分にとどまった。肥満リスクに関連した別の要素を考慮しても、この結果は変わらなかった」と解説する。

別の研究では、子どもの早寝は行動や認知発達、注意力にも好影響をもたらすほか、悪い夢を見たりなかなか寝付けないといった問題も少なくなることが示されているという。

注意力や行動と睡眠の関係に詳しいカナダ・マギル大学のロイト・グルバー氏は「子どもを早い時間に就寝させれば、脳と身体の修復や回復にとって大切な睡眠時間が確保できるため、身体的健康だけでなく精神衛生上もメリットがある」と話している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。