FBI、クリントン氏の聴取記録などを公開 メール問題で

ヒラリー・クリントン前国務長官

2016.09.03 Sat posted at 11:27 JST

(CNN) 米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏が国務長官在任中に公務で私用のメールサーバーを使っていた問題で、米連邦捜査局(FBI)は2日、7月にクリントン氏から事情聴取した際の記録と私用メールサーバーをめぐる捜査の報告書を公表した。

事情聴取の記録によると、クリントン氏はFBIに対し、連邦政府絡みの記録の保持や機密情報の取り扱いに関する国務省から説明や訓練について、一切思い出せないと供述した。

クリントン氏が捜査員らに対し「思い出せない」または「覚えていない」と述べた回数は少なくとも39回に上った。これらは主に手続き関連の質問のほか、国務省から受けた可能性のある訓練や個別のメールの内容に関する質問に対して発せられたもの。

一方、捜査報告書の大半では、FBIのコミー長官が米連邦議会の公聴会で証言した内容を改めて指摘。60件以上のメールのやり取りにその時点で機密に該当する情報が含まれていたことや、攻撃が成功したとの証拠はないもののクリントン氏のサーバーに対するハッキング攻撃が複数回あったことなどに言及している。

トランプ氏(左)に対するクリントン氏のリードが縮まってきている

今回の報告書はクリントン氏自身への批判のほか、「極めて不注意」としながら違法性を認定しなかったFBIの見解への批判に新たな材料を提供する形となった。

共和党候補の実業家ドナルド・トランプ氏らは、クリントン氏が家族の財団への献金者に便宜を図っていたとの疑念とメール問題を結びつけることで、批判を強めている。

FBIによる聴取記録などの公開は、大統領選に向けた世論調査でトランプ氏に対するクリントン氏のリードが縮小するなかで行われた。クリントン氏のリードは先月、民主党全国大会後の支持率押し上げ効果で広がっていたが、1日に発表されたCNNによる各種世論調査のまとめによると、このリードは半減し5ポイント差まで詰まっている。

FBIはクリントン氏のメール問題に関する数多くの情報公開請求を受け、情報の公開を進めている。

FBI、クリントン氏の聴取記録などを公開

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