中国で「西洋ライフスタイル」の放送禁止、胸の谷間やSFもダメ

胸の谷間など肌の露出が多い番組には規制が

2016.09.01 Thu posted at 11:45 JST

香港(CNN) 中国のメディア規制当局が改訂版のガイドラインを発行し、「西洋のライフスタイル」を宣伝するテレビ番組の放送禁止を打ち出した。

国営新華社通信によると、新規定では「西洋のライフスタイルを過度に称賛する」内容や、中国の伝統を笑いものにする番組、「古典的素材」を冒とくする番組を新たに禁止対象とした。

さらに「スターや億万長者、インターネットセレブを偶像化して登場させたり、私的な事情や家族の争いをセンセーショナルに取り上げることも避けなければならない」と定めた。

中国でこれまでに放送禁止になった内容は多岐にわたる。中国史上唯一の女帝、武則天の生涯を描いたテレビドラマは高い視聴率を誇っていたが、2015年1月に突然放送が中断された。

同番組が評判になったのは、出演女優の肌の露出の多さも一因だった。しかし数日後に放送が再開された時には露出度が大幅に減少。検閲当局は制作側に対し、映像を編集して胸の谷間を隠すよう指示していた。

今年4月には有名人の子どものテレビ出演が禁止され、有名人の親子が出演していた人気番組が放送中止に追い込まれた。

3月に公布された規定では、ここ数年で人気が上昇しているインターネット番組も厳格なガイドラインの対象とした。

新しいガイドラインでは、「喫煙、飲酒、争いなどの不健全行為」にも規制をかけている。

韓国の番組の放映も規制されたとの報道がある

同性愛についても、今年に入って公表されたガイドラインで「異常な性的行為」に分類し、近親関係や性的暴行などと並ぶ「倒錯」と位置付けてテレビ番組には適さないと規定した。

このあおりで、10代の少年同士の恋愛を描いて1000万人の視聴者を獲得していたインターネットの人気ドラマは2月で打ち切りになった。

タイムトラベルが登場するSFドラマについては、「軽々しく神話をでっち上げ、醜悪奇抜な筋書きを持ち、馬鹿げた手管を用い、封建主義や迷信、運命主義、生まれ変わりを賛美している」として2011年3月に禁止になった。

米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)が韓国に配備された問題も影響を及ぼしている。

韓国のテレビで人気の芸能人が登場して北京で開かれる予定だったイベントは延期になり、韓国の人気グループEXOの上海公演は中止になった。

報道によると、韓国の番組を中国のテレビで放映することも禁止されたという。新華社によれば、規制当局は6月、中国国内で制作した番組の発展を促すという理由で、外国のテレビ番組に対して厳格な規制を打ち出した。

中国で「西洋ライフスタイル」の放送禁止

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