首都は不要? 1人当たりGDP、「首都なし」で増える国も

2016.08.31 Wed posted at 20:02 JST

ロンドン(CNNMoney) ドイツの1人当たり国内総生産(GDP)は、首都ベルリンを除いて計算するとわずかながら上昇する――。独ケルン経済研究所がこのほど、世界各国の経済に首都が果たす役割を調べた研究結果を発表した。

それによると、ドイツの1人当たりGDPはベルリンを除外したほうが0.3%高くなることが分かった。ハイテクや流行の先端というイメージから考えると「やや意外だった」と、研究チームのメンバーは語る。

同国では製造業の拠点が集中するラインラントや、BMWなど自動車メーカーの本社があるバイエルンが経済のけん引役を果たしているようだ。

首都が国全体の経済の足を引っ張っている例はほかにもある。カナダの1人当たりGDPは、首都オタワを除くと0.2%高くなる。一方で産油地域のアルバータは、人口がカナダ全体の11%なのに対し、GDPでは17%を占めている。

首都を除外することで1人当たりGDPが増える国も=CNNMoney

反対にGDPを押し上げている首都としては、まずパリが挙げられる。フランスの1人当たりGDPはパリを除外すると17%以上も低くなる。

英国では、金融の中心地である首都ロンドンを除くと1人当たりGDPが13%近く下がるという。ただ英国が欧州連合(EU)を離脱すると、EUの金融業界とのつながりも変化する可能性があり、ロンドンの繁栄が今後も続くかどうかは不透明だという。

米国も首都ワシントンがないと1人当たりGDPは下がるものの、その差は1%強にとどまる計算だ。研究チームは、リスク分散の見地からはこの程度のバランスが望ましいとの考えを示している。

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