ISIS、報道担当の最高幹部が死亡と発表 シリア北部で

ISIS内で最高位の人物の1人だったアドナニ幹部が死亡したという=ISIS

2016.08.31 Wed posted at 10:04 JST

(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は30日、報道担当者のアドナニ幹部がシリア北部アレッポ地区で死亡したと発表した。

ISISのメディア部門「アマク通信」はアドナニ幹部が作戦の視察中に死亡したと伝えたが、死因は公表されていない。

これまでに死亡したISIS幹部の中で最も高位の人物とされる。ISISのトップはバグダディ最高指導者だが、アドナニ幹部は対外的に最もよく顔を知られ、バグダディ容疑者に何かあった場合の後継者として名前があがっていた。

米国防総省の当局者はアドナニ幹部の死亡を確認していないが、米軍主導の対ISIS有志連合が30日午前にアレッポ近郊でISIS幹部を狙った空爆を実施し、成果を検証していると述べた。

ISISは、アドナニ幹部が「多くの犠牲や不信心者との戦いに満ちた旅の末、殉教指導者の列に加わった」と宣言した。また「汚れた臆病な不信心者やキリストの紋章を掲げる者たちに良い知らせがある」として、「生より死を好むISISの新たな世代は報復と暴力への決意を維持し、聖戦へ向けて進化していくだろう」と宣言した。

ISISの現トップ、バグダディ最高指導者=ISIS

アドナニ幹部はこれまで、対ISIS有志連合の参加国を狙った攻撃を指示してきた人物として知られる。今年1月には有志連合の空爆で負傷したと伝えられた。CNNのテロ対策解説者は当時、「ただの報道担当者ではなく最高幹部の1人」「パリ同時多発テロを実行し、米国に大規模攻撃を仕掛ける恐れもあるISISの対外作戦部門を監督していて、バグダディ容疑者よりさらに危険な人物ともいえる」と語っていた。

ISISの結成当初からのメンバーで、バグダディ容疑者とも近い関係にあった。2014年6月にイスラム国家樹立を宣言したのも同幹部だ。欧米諸国にいるISIS支持者らに単独で攻撃を実行する義務があると呼び掛け、これが実際に北米や欧州、オーストラリアでのテロにつながったとみられている。

米政府は同幹部につながる情報の提供者に最大500万ドル(約5億円)の懸賞金を支払うと発表していた。同幹部の殺害は、ISISにとって過去最大の打撃になるとの見方が強い。

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