(CNN) 米ニュージャージー州で線路上に寝そべった自殺願望の男性を、列車にひかれる寸前に交通警官が救出する出来事があり、警官に称賛が集まっている。防犯カメラがその瞬間をとらえた映像も公開された。
交通警官のビクター・オーティスさんは26日午前、いつものようにセコーカス・ジャンクション駅の構内を巡回していたところ、列車内で騒ぎが起きたと連絡を受けた。
「列車の到着を待って乗り込むと、車掌が私に事情を説明する間もなく、その男性が列車を降りた」とオーティスさんは振り返る。
オーティスさんは男性を座らせようとしたが、男性は「刑務所には行かない」と言って線路上に飛び降りたという。
男性が説得に応じなかったため、オーティスさんも線路上に降り、男性を押したり両手を引っ張ったりして線路の上から動かそうとした。しかし男性は「死にたいんだ」と言い続けて動こうとしない。オーティスさんが線路上に引き込まれた瞬間もあった。
列車は間近に迫っていた。「もう離すしかないと思った。しかし『もう1度だけ引っ張ってみよう』と自分に言い聞かせた」とオーティスさん。
「神の意思かどうかは分からない。しかし幸運にも何かが起きて、もう1度引っ張ると、男性の安全を確保することができた」
その数秒後、2人がいた線路の上を列車が通過した。
ニュージャージー州交通局はオーティスさんの行動を称賛する談話を発表し、「無私の英雄的な行動は、強い勇気と真の思いやりの表れであり、こうした行為は知られないまま終わりがちだが、法執行当局者の間に常に存在している」と指摘した。
命を助けられた男性は病院に搬送され、診断を受けている。
線路上、間一髪の救出劇