「敬意払えない」 NFL選手、国歌演奏時の起立拒否で物議

起立拒否で議論を呼んでいるコリン・キャパニック選手

2016.08.29 Mon posted at 12:39 JST

(CNN) 米プロフットボールリーグ(NFL)のサンフランシスコ・フォーティナイナーズのクォーターバック(QB)、コリン・キャパニック選手(28)が試合前の国歌演奏で起立を拒否したことをめぐり、賛否両論が巻き起こっている。

キャパニック選手は26日に行われたプレシーズンマッチで、試合前の国歌演奏時に起立を拒否。拒否した理由として、黒人など人種的少数派を抑圧している国の国歌や国旗に敬意を払うことはできないとの考えを示した。

同選手はNFLメディアとのインタビューで、米国内で最近、黒人が警官に射殺される事件が相次いでいることを指摘。「私にとって、これはフットボールよりも大きな問題。見て見ぬふりをするのは自分勝手だと考えた。路上に遺体が横たわる一方で、有給休暇を取って殺人の罪を逃れている人たちがいる」と語った。

背番号7番のキャパニック選手が起立せずベンチに座る光景の画像は、ツイッターにも投稿されて物議を醸した。「さらにファンになった」という声もあれば、「チームや競技に対して失礼」との批判も飛び交った。

同選手は自分の決断が議論を招くことは十分に承知しているとしたうえで、「だれかに分かってもらおうとか、認めてもらおうとかいう意図はない。虐げられている人々のために立ち上がらなければという思いだ」「たとえフットボールを取り上げられても、選手資格を奪われても、正しいことのために立ち上がったと思える」と語った。

NFLメディアによると、キャパニック選手は人種の異なる両親を持ち、白人家庭の養子として育った。

フォーティナイナーズは同選手の決断を尊重するとの声明を発表。「宗教や表現の自由をうたう米国の精神に基づき、個人が国歌演奏に参加するかしないか選択する権利を認める」と表明した。

米国ではプロスポーツの試合前に必ず国歌が演奏される。NFLは声明で、演奏中に選手たちが起立することを奨励するが、強制ではないと指摘した。

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