ブルキニ禁止で物議、警官が衣服の一部を強制的に脱がす 仏

2016.08.25 Thu posted at 16:02 JST

(CNN) 南仏ニースでビーチにいたイスラム教徒の女性が警官から衣服の一部を強制的に脱がされた際の写真がインターネットで公開され、議論を呼んでいる。

ニースを含むフランスの15の都市では、テロ対策の一環として全身を覆う「ブルキニ」というイスラム教徒女性向けの水着の着用が禁止されている。

今回の出来事はプロムナード・デ・ザングレで起きたが、この場所は7月に発生したトラックを使ったテロの現場だ。

写真では、青いスカーフで頭を覆い、そろいの長袖チュニックを着てビーチに寝そべる女性を、銃や警棒で武装した警官らが取り囲んでいる。チュニックを脱いだ女性のそばに警官がかがみこみ、メモか罰金書類のようなものを書いている写真もある。

ニース当局は、警官は職務を遂行しただけだと指摘。こうした写真は警官を危険にさらすと非難した。

ビーチでの服装で警察の摘発を受けたイスラム教徒女性の支援を行っている地元団体によれば、支援を求めてきた女性15人のうち、ブルキニを着ていた人はおらず、ヘッドスカーフだけだったという。

ニース当局によれば、禁止されているのはブルキニそのものではなく、解釈は現場の警官に任されているという。

23日には南仏のカンヌのビーチで、34歳の女性が罰金を科された。この女性はCNNの系列局BFMTVに対し、警官から着ているものが不適切で、頭のスカーフをバンダナのように結び直さないならビーチから出ていくよう言われたと語った。

女性は「私はブルキニもブルカも着ていなかったし、裸だったわけでもない。適切な格好をしていたと思う」と述べた。

周囲の海水浴客は、女性を応援する人もいれば侮辱的な言葉を投げてくる人もいたという。「『家に帰れ』『ここから出ていけ』『フランスはカトリックの国だ』などひどい言葉をぶつけられた。娘は泣いていた。こんな差別を受けたのは初めてだ」

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