トランプ氏、対移民強硬路線の「軟化」に言及 米大統領選

共和党候補のトランプ氏。移民政策の「軟化」の可能性を示唆した

2016.08.24 Wed posted at 17:02 JST

ワシントン(CNN) 米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が、これまでの選挙戦で掲げてきた移民への強硬路線を軟化させる可能性に言及した。

トランプ氏は23日夜、ニュース専門局FOXニュースのインタビュー番組に出演した。

番組の司会者は、トランプ氏が最近、ヒスパニック(中南米)系の支持団体と会談したことを指摘。そのうえで同氏が主張する不法移民の強制送還について、「社会に貢献して法を守り、ここに子どもがいる移民は対象外とするような修正は可能か」と尋ねた。

これに対してトランプ氏は「素晴らしいヒスパニックのリーダーたちとの素晴らしい会談だった。人々を傷つけようとしているわけではないから、軟化の可能性は確かにある」「この国には大変素晴らしい人々もいる。ただ法には従わなければならない」と語った。ただし軟化の具体的な内容についての説明はなかった。

トランプ氏はこれまで、米国内の不法移民1100万人を強制送還し、メキシコ国境に壁を建設するなどと訴えてきた。

トランプ氏は「国境の壁」の建設を主張している

この主張は共和党有権者らの心をつかみ、予備選を勝ち抜くうえで大きな役割を果たした。一方で民主党や共和党内の一部からは厳しい批判を浴びている。最近は世論調査で苦戦が目立ち、陣営幹部も交代した。

新たな陣営責任者に就任したケリーアン・コンウェー氏は23日、CNNとのインタビューで路線の軟化について質問を受けた。同氏も詳細の説明は避けたものの、路線変更の可能性は否定せず、「原則としては同じこと。どのように執行するかという問題だ。トランプ氏は何が可能かについて、さまざまな相手から助言を受けているところだ」と述べた。

トランプ氏は23日夜、テキサス州オースティンで集会を開いたが、この時の演説では国境に壁を建設する案を改めて掲げ、不法移民の犯罪で我が子を失った母親たちを紹介した。不法移民の送還や路線軟化の可能性には言及しなかった。

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