安倍首相夫人が真珠湾訪問 「私的なもの」と官房長官

安倍晋三首相夫人が米ハワイ・オアフ島にある真珠湾の慰霊施設を訪れた

2016.08.24 Wed posted at 13:04 JST

(CNN) 安倍晋三首相夫人の昭恵さんが22日、1941年に旧日本軍が攻撃した米ハワイ・オアフ島の真珠湾を電撃訪問した。

夫人に続いて安倍首相も年内に真珠湾を訪れるのではないかとの憶測が飛び交ったが、菅義偉官房長官は23日、夫人の「私的な訪問」だったと述べて憶測を否定した。

昭恵さんは22日にハワイで開かれた海洋環境シンポジウムへの出席に先立ち、約2時間にわたって真珠湾を訪れたという。

昭恵さんは訪問時の写真11枚をフェイスブックの公式ページに投稿した。真珠湾の慰霊施設「アリゾナ記念館」で祈りと花をささげたり、元兵士と握手したりする姿が写っている。

米テンプル大学日本校のアジア研究専門家、ジェフリー・キングストン教授は、昭恵さんが真珠湾で「祈りをささげ、悔恨の念を示した」と述べ、訪問は米国で歓迎されるだろうとの見方を示した。

昭恵さんは率直で大胆な人物として海外に知られている。性的少数者を積極的に支援し、在日韓国人に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)を非難する立場を取ってきた。安倍首相の「歴史修正主義」とは一線を画し、原発推進の姿勢にも反対していると、キングストン氏は主張する。

フェイスブック上では9万7000人以上が昭恵さんをフォローしている。

今年5月にはオバマ米大統領が被爆地の広島を訪れたが、安倍首相はこれを受けて真珠湾を訪問する計画はないと言明した。キングストン氏は「オバマ大統領は広島で悔恨の念を示すことにより、前進の道は過去を認識することから始まることを安倍首相に示した」との見解を示す。

香港城市大学でアジア史と国際関係論を教えるブラッド・ウィリアムズ助教もこれに同意し、安倍首相が真珠湾を訪問すれば日米間の外交関係が強化されるだろうと主張している。

だがキングストン氏は一方で、安倍首相の真珠湾訪問が反発を招く可能性を指摘。日本の過去の行いに関する首相の歴史認識を「一部の米国人は快く思わないかもしれない」と述べた。

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