トルコ南東部ガズィアンテプ(CNN) トルコ南東部の都市ガズィアンテプの結婚式会場で20日に起きた爆発による死者は、21日までに少なくとも51人に達した。現場で見つかった爆弾ベストの破片から、少年による自爆テロと判明した。
少年は12~14歳だったとされる。少年自身が爆弾を起爆したのか、何者かによる遠隔操作だったのかは明らかでない。
爆発は20日午後10時50分ごろ、クルド人カップルの結婚を祝う野外パーティーの会場で起きた。現場は保守的なクルド人が多く住む地区で、シリア国境に近い。
爆発による死者は、先月イスタンブール・アタチュルク国際空港での自爆テロで死亡した44人を超え、同国で昨年から続発しているテロの中でも最悪となった。
国営アナドル通信によると負傷者は69人に上り、このうち17人が重体。新郎新婦もけがをしたが、病院関係者によると命に別条はないという。
犯行声明は出ていないが、エルドアン大統領は21日、地元当局や警察による初期捜査の結果として、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」によるテロとの見方を示した。大統領は、ISISがガズィアンテプで勢力を確立しようとしていると指摘。治安当局はこの地域で対テロ作戦を実施し、現在も続けていると強調した。
米国のホワイトハウスと国務省はただちに犯行を非難し、トルコ政府や犠牲者との連帯を表明した。
現地のジャーナリストによると、ISISによるクルド人への報復攻撃だった可能性がある。クルド人民兵は米国の対ISIS作戦に協力し、シリア北部では要衝マンビジュの奪還などで中心的な役割を果たしている。
ガズィアンテプにはシリアからの難民が多く、ISISが民族対立をあおろうとした可能性もあるという。
アナトリア通信によると、エルドアン大統領は犯行を非難する声明の中で、政府と対立するISISと非合法クルド人武装組織「クルディスタン労働者党(PKK)」、政府が先月のクーデター未遂の黒幕と名指しする米国在住のイスラム指導者ギュレン師という3大勢力の間には「なんの違いもない」との立場を示した。
トルコは米国にギュレン師の身柄引き渡しを要求している。バイデン米副大統領は24日に同国を訪問し、この要求などについてトルコ側と話し合う見通しだ。