世界最大の航空機エアランダー10、初の試験飛行に成功 英

エアランダー10が試験飛行に成功

2016.08.21 Sun posted at 17:04 JST

ロンドン(CNNMoney) 世界最大の航空機とされる「エアランダー10」の試験飛行が21日までに英ロンドン北部にあるカーディントン飛行場で初めて実施され、約20分間の飛行に成功した。

飛行船に似た機体を持つ同機の全長は約91メートルで、世界最大の旅客機より約15メートル長い。エアランダー10は、飛行船、ヘリコプターや航空機の各機能を混合させたハイブリッド型となっている。

開発したのは英企業「ハイブリッド・エア・ビークルズ」。エンジンは4基搭載し、超軽量の炭素繊維製の機体内部は空間となっている。飛行船のような形状は機体内部に充填(じゅうてん)された3万8000立方メートルのヘリウムガスの圧力によって維持される。

飛行時間は有人なら最長で5日間、無人なら2週間以上が可能。最大で10トンの貨物を積み、時速約146キロの最高速度で飛行出来る。滑走路は不要で、陸地、雪や氷に覆われた地面、砂漠や水面からの離陸も可能としている。

本体内部にはヘリウムガスが入っている

エアランダー10は最初、米軍の監視任務用に計画されていたが、米国防費の削減が進む中で2013年に事業が中断されていた。しかし、同社がその後、クラウドファンディングを活用して340万ポンドを超える資金を調達。また、欧州連合(EU)や英国政府からの補助金も得た。

同社は、エアランダー10の二酸化炭素排出量は他の輸送手段と比べかなり低く、広範な商業用途にも使えると主張。通信機器や他の貨物も搭載可能で、捜索・救出作業の任務もこなせ、軍事的な調査目的も遂行出来るとしている。

試験飛行は当初、今月14日に予定されていたが、技術的な不具合が生じ17日に延期されていた。

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