「米選手の強盗被害はウソ」 ブラジル警察発表

4選手が強盗に遭ったと訴えているガソリンスタンド

2016.08.19 Fri posted at 10:21 JST

リオデジャネイロ(CNN) リオデジャネイロ五輪の競泳で金メダルを獲得した米国のライアン・ロクテ選手(32)ら4人が同地で強盗被害に遭ったと訴えていた問題で、ブラジルの警察は18日、4人がうそをついていたことが分かったと発表した。

警察は同日の記者会見で、4人がガソリンスタンドで器物を破壊して警備員とトラブルを起こし、その騒ぎを取りつくろうために強盗話をでっち上げたとの見方を示した。

「防犯カメラの映像では、ガソリンスタンドで選手たちが暴力に遭った形跡はない」と警察幹部は述べ、「襲撃や強盗の被害に遭った、あるいは何らかの暴力被害に遭ったという彼らの主張は事実ではない」と断言。ロクテ選手ら4人はリオデジャネイロ市に謝罪すべきだとも言い添えた。

警察の発表によれば、ガソリンスタンドでの器物損壊には4人とも関与していたが、特にロクテ選手は酔って怒りをぶちまけ、警備員とトラブルを起こしたとされる。

この事件では、ロクテ選手とジャック・コンガー、ジョセフ・ベンツ、ジェイムズ・フィーゲンの4選手が14日未明、選手村に向かうタクシーの中で武装警官を装った集団に銃を突き付けられ、財布などを盗まれたと訴えていた。

ロクテ選手は既に米国に帰国しているが、警察がコンガー、ベンツの2選手から事情を聴いたところ、1人が強盗話はでっち上げだったことを認めたという。

大会に参加するアスリートたちが宿泊するリオ五輪の選手村

ガソリンスタンドの騒ぎでは、警備員がロクテ選手を制止するために銃口を向けたものの、それは過剰な武力行使には当たらないと警察は話している。

選手4人はガソリンスタンドのトイレのドアを壊した弁償金として、100ブラジルレアル(約3000円)と20米ドル(約2000円)を支払っていたとされる。

捜査はまだ続いており、警察はフィーゲン選手からも事情を聴くため弁護士を通じて交渉を進めている。

4人は偽証罪や器物損壊などの罪に問われる可能性もあるものの、ガソリンスタンドの騒ぎでは既に賠償金が払われ、経営者も告訴する意図はないことから、逮捕はされない見通し。

ブラジルのメディアは、ロクテ選手ら4人が映ったガソリンスタンドの防犯カメラの映像を公開した。4人は14日未明、ここで銃を突き付けられ、強盗被害に遭ったと訴えていた。

映像には、ガソリンスタンドの片隅で用を足している姿の男性が、警備員にとがめられる様子が映っている。

リオデジャネイロ空港で搭乗機から降ろされたコンガー、ベンツの2選手

日刊紙グローボはガソリンスタンド経営者の話として、選手4人がガソリンスタンド内で石を投げて看板を破壊し、路上で放尿したと話している。

CNNはこの映像について、弁護士を通じて選手たちにコメントを求めたが、今のところ返答はない。

コンガー、ベンツの2選手は17日夜、リオデジャネイロ発の便で米国に帰国する予定だったが、ブラジル当局によって搭乗機から降ろされ、18日にリオデジャネイロ市内の警察署で事情聴取を受けていた。

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