内戦下のシリア、拷問で1万7723人が獄中死か 人権団体

シリアの刑務所で拷問により殺害された人々について、人権団体が新たな報告書を公表

2016.08.18 Thu posted at 17:18 JST

(CNN) 国際人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」は18日までに、シリアで内戦が始まった2011年3月以降、国内の刑務所や拘束施設で刑務官らによる殴打などの拷問で殺害された住民らは推定1万7723人に達するとする新たな調査報告書を公表した。

アサド政権の反対派などに対するシリコン製の棒やホースなどを用いた拷問は逮捕時から始まり、刑務所では「歓迎パーティー」と称して常態化していると指摘した。毎月の死亡者は平均で300人以上に達しているという。

今回の報告書は11年3月15日から昨年12月31日までの期間が対象。内戦に伴う死亡者の詳細を調べる4組織からの情報を参考にしている。これらの情報を基に、1万2270件は拘束中に殺害されたとの十分な根拠を得たとしている。

アムネスティはまた、男性54人、女性11人の生存者計65人との面談調査を昨年12月から今年5月まで実施。このうちの7人は元兵士や軍への協力者だった。残りは軍活動には一切関与していない民間人だった。

統計的な手法を使ってまだ把握しきれていない拷問死の数を試算し、全体の人数を1万7723人と推定。その上でこの数字は少なく見積もったものとした。人数の算定では、未報告の分や行方不明者、不十分な情報の分などがあり、正確な数の把握は難しい。

シリアのアサド大統領

拷問の手口には手や足のつめのはぎ取り、熱湯やたばこの火をつかったやけどなどが含まれる。ゴム製タイヤに体をねじらせて押し込める方法、水の中での電気ショックなども使われた。レイプや性的虐待も行われた。

拷問被害を受けた住民の多くは治安維持に当たる4情報機関に逮捕された。空軍情報局や軍情報機関などが含まれる。いったん各機関の拘束施設に移され、反テロ裁判所や軍野外法廷で裁かれた後、軍刑務所に移送された。アムネスティは各法廷での手続きは露骨なほど公正さに欠けると弾劾している。

アムネスティなどの人権擁護団体はシリア内の国営の刑務所内で拷問が起きているとの情報は長年にわたって入手していた。これらの拷問は反体制派弾圧のためアサド現大統領の父親であるハフィズ・アサド元大統領が実権を握っていた1980年代にさかのぼるという。

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