ティム・クック氏、アップルCEOとしての5年間を振り返る

アップルのクックCEO。この5年間を振り返った

2016.08.17 Wed posted at 20:18 JST

香港(CNNMoney) 米アップルの最高経営責任者(CEO)にティム・クック氏が就任してからまもなく5年。同氏はこのほど、米紙ワシントン・ポストとのインタビューで過去の失敗や同社の将来について語った。

アップルの将来に向けた秘策は明かさなかったものの、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」で注目を集めた拡張現実(AR)の技術に強い関心を持っていることを認め、「非常に興味深い、いわばコア技術。ARに関して舞台裏でさまざまなことをやっているのは事実だ」と述べた。

アップルが取り組んでいるとされる自動車関連のプロジェクトにつての質問はかわす一方、研究開発全般に多くの額をつぎ込んでいると強調。「現行の製品とまだ形になっていない物の両面で、将来に大きく投資している」と語った。

この5年間にスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のラインナップを拡大するなどの成功を収めたが、一方で判断を誤ったこともあると認めた。「地図アプリは間違いだった。今では誇れる製品になったが、当時はうまくいっていないことを率直に認め、勇気を出して別の方法を選ぶことにした」と振り返った。

また、英家電小売り大手ディクソンズのCEOだったジョン・ブロウェット氏を小売業務の責任者に迎えた人事も間違いだったと言明。「本人を悪く言うつもりはない。ここの文化に合わなかったという表現が適切だろう」と述べた。

独りよがりに陥らないよう、時には著名人に助言を求めた。議会で証言することになった時は、同様の経験を持つ金融大手ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクフェインCEOに相談した。「前から知っている相手だったし、かれなら率直に話してくれるだろうと思った」という。

株主への資金還元については、「うってつけの人物」と思われる投資家のウォーレン・バフェット氏から意見を聞いた。

自分が同性愛者だということを公表した時は、CNNのアンカー、アンダーソン・クーパー氏と何度も長時間にわたって話をした。クーパー氏が同性愛者だと告白した時の品格あるやり方に感服したからだという。

アップルという大企業を経営するのは「世界最高の仕事」だと話したが、同時に「CEOの仕事は孤独だという言葉は多くの面で当たっている」と語った。

「同情を求めているわけではない」としながらも「称賛されたかと思えば批判される。両極端の幅は非常に広い。それが全て1日のうちに起きることもある。就任以来、鍛えられて皮膚が実際に分厚くなった」と話した。

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