拉致から逃れた女性、「ボコ・ハラムの夫に会いたい」

CNNのインタビューに応じたアミナ・アリさん(左)

2016.08.17 Wed posted at 12:10 JST

ナイジェリア・アブジャ(CNN) ナイジェリア北東部のチボックでテロ組織「ボコ・ハラム」に拉致され、今年5月に脱出して保護された女性が16日、首都アブジャでCNNのインタビューに応じ、拉致されている間に結婚した夫に会いたいと訴えた。

アミナ・アリさん(21)は2014年4月にチボックの学校から連れ去られた女子生徒276人の1人だった。拉致されてから約1年後に結婚して女児を出産。夫と共に娘を連れてボコ・ハラムの拠点から逃れ、今年5月に森林付近で発見された。

一緒にいた夫のモハメド・ハヤトゥさんは、自分もボコ・ハラムに拉致されていたと話したという。現在は軍に拘束されて尋問を受けている。

アミナ・アリさんは、夫が今どこにいるのか分からないと話し、「夫と引き離されている状況に不安を覚える」と告白。ハヤトゥさんに向けて「私は今もあなたのことを思っている。引き離されてもあなたを忘れたことはない」と呼びかけた。

ボコ・ハラムは14日、チボックから連れ去った女子生徒たちを登場させたビデオを公開。この映像には女性数人の遺体も映っており、ボコ・ハラムは人質がナイジェリア軍の空爆で死亡したと主張していた。

アミナ・アリさんによれば、1年以上前の空爆により、人質のうち十数人が死亡したという。ナイジェリア国家治安当局はその証言を根拠に、今回の映像は新しいものではないとの見方を示している。

アミナ・アリさん(左)は拉致されている間に結婚した夫に会いたいと訴えている

アミナ・アリさんは、集団で拉致された日のことは思い出せないとだけ話し、それ以上は語ろうとしなかった。1年ほどたってから、アミナ・アリさんを含む数人が、妻としてボコ・ハラムのメンバーに「与えられた」という。

勇気と強さを保つことができたのは、母親に再会したいと思い続けたためだと語ったが、拉致されている間に自分が母親になった心境を尋ねられると、表情を曇らせて「答えたくない」とつぶやいた。

過去2カ月は、母親が付き添ってキンシャサに滞在している。それでもいずれチボックに戻って復学したいとアミナ・アリさん話す。

残る生徒たちの居所は依然として不明だが、ボコ・ハラムの拠点がある北東部の森林のどこかにいる可能性が大きい。

2年たっても人質を救出できないナイジェリア政府には批判も集まっている。長期間にわたって拘束されている生徒たちの中で脱出できたのはアミナ・アリさん1人のみ。今も脱出できない同級生たちに向けて希望を捨てないでほしいと語りかけ、「神が私を助ってくれたように、いつかあなたたちも救ってくれる」と呼びかけた。

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