NY女性が実践する「ごみゼロ生活」<1> 4年分のごみは小瓶1つ

ローレン・シンガーさんは2012年から「ごみゼロ生活」を始めた。再利用やリサイクルのできなかったプラスチックなどがこの小瓶のなかにすべて入っている

2016.09.03 Sat posted at 09:00 JST

(CNN) ローレン・シンガーさん(25)は、米ニューヨークに住むごく普通の女性だ。しかし、ひとつ、他の人と決定的に違うのは「ごみゼロ」のライフスタイルを実践している点だ。シンガーさんが持つ小瓶がそれを証明している。

「過去4年間に私が生み出したごみは、このわずか16オンス(約450グラム)のガラス瓶に収まる」とシンガーさんは語る。シンガーさんは、環境にやさしい生き方をテーマにしたブログ「Trash is for Tossers」を運営するブロガーでもある。

一般のアメリカ人は1日におよそ2キロのごみを生み出すというが、シンガーさんはこれまでに2750キロ以上のごみを削減してきたという。

「コンポストやリサイクルも行うが、それらはあくまで最後の手段で、とにかくこん包や包装を避けることを心掛けている」(シンガーさん)

プラスチックは徹底的に排除

シンガーさんがごみゼロの取り組みを開始したのは、彼女がニューヨーク大学で環境科学を学んでいた時だ。当時、シンガーさんは自分のサステナビリティー(持続可能性)に対する情熱が教室の中だけのものだと気付いた。

「ある日、授業を終え、帰宅して夕食を作ろうと冷蔵庫を開けると、冷蔵庫に入っている全ての食べ物がプラスチックで包装されていることに気付いた」(シンガーさん)

ローレン・シンガーさんが地元のマーケットに行くときは、布のバッグを持っていく

シンガーさんはすぐに生活習慣を変えることを決意する。まずはプラスチックの排除から始め、さらにごみゼロのライフスタイルを実践し始めた。

「自分は信じられないくらい怠惰」

今やビニール袋やペットボトル、さらにプラスチック製のフォークやナイフは日常生活の一部となっており、環境にやさしい生活を送るには生活を根本的に変える必要があるようにも思える。しかし、シンガーさんはその気になれば誰でも可能と考えている。

「自分は信じられないくらい怠惰で、このごみゼロのライフスタイルを実践するために、何をするにも余計に時間がかかるなら、こんな生き方は絶対にしない。難しいと思われがちだが実は非常に簡単」とシンガーさんは言う。

大切なのは小さな改善を積み重ねることだ。シンガーさんは、バーでドリンクを注文する際、バーテンダーにストローは不要と告げたり、買い物に行く時に布袋を持参したり、プラスチックチューブに入っていない歯磨き粉が見つからなければ自分で歯磨き粉を作る、などを提案する。

「歯磨き粉作りは非常に難しいと思われがちだが、私はわざわざ出掛けて行って歯磨き粉を買う方が大変だと思う」とシンガーさんは語る。

「着替えて、店まで歩いて行って歯磨き粉を買い、また歩いて帰らなくてはならない。その上、8ドルのお金と30分の時間がかかる。その点、自分で歯磨き粉を作れば、3つの材料さえあれば台所で裸でもできるし、時間もわずか30秒しかかからず、費用も50セント以下で済む」

次回「NY女性が実践する『ごみゼロ生活』<2> 1人でも世の中は変えられる」は9月4日公開

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