大自然味わうエコツーリズム、ボツワナで活況

アフリカ・ボツワナでエコツーリズムが活況を呈している

2017.04.23 Sun posted at 19:21 JST

(CNN) アフリカ南部のボツワナは世界で最も人口密度が低い国の一つだ。面積はフランスと同程度だが人口は200万人あまり。だがゾウなどの野生動物が豊富に生息することを生かして近年はエコツーリズムを推進し、環境保護を行いつつ多くの観光客を集めている。

ボツワナのカーマ環境・野生動物・観光相によれば、年間の来訪者数は260万人から270万人と同国の人口よりも多い。アフリカの中でも成功している国で、世界最貧国に近い状態から2015年には1人当たりの国内総生産(GDP)が1万7700ドルの中所得国に生まれ変わった。

観光はダイヤモンド産業に次ぐ主要産業となっている。なかでもエコツーリズムはまだ始まって間もないが、GDPの4~5%を占めるとされる。

カーマ氏によれば、エコツーリズムの推進は意図的な決断だった。ボツワナは02年、自然環境や野生動物の保護を狙いとしたエコツーリズム戦略を採択。内陸部にある湿地帯としては世界でも最大規模のオカバンゴ・デルタを皮切りに保護活動が始まった。

ボツワナではさまざまな動物を見ることができる

オカバンゴ・デルタは毎年数カ月、雨期になるとシマウマやカバなどの野生動物が集まる。同デルタで運営する全団体に対し、太陽光発電を取り入れ、水を再利用することを奨励しているという。

カーマ氏は「エコツーリズムを推進している国としてはボツワナは世界でも最高の観光地ではないか」と話す。

ボツワナ北部の国境地帯にある「チョベ・ゲーム・ロッジ」は同国でも有数の豪華施設だが、環境面に力を入れていることへの自負も大きい。経営責任者のジョハン・ブリュワー氏は「廃棄物の量を約95%減らした」という。

「カーボンゼロ」の観光業を目指すという

同施設では環境保護策の一つとして、野生動物の見学に際し、太陽光発電で稼働するボートや電気自動車を用いている。今後2年以内で、排ガスや二酸化炭素の排出をゼロに抑えたまま見学できるようにするのが目標だ。

オカバンゴ・デルタのさらに南部にあるロッジ「サンディベ・オクバンゴ」も環境保護が売りだ。使用した水はすべてその場で処理し再利用しているほか、発電量の70%を太陽光パネルでまかなっている。

経営陣のグレッグ・デイビスコールマン氏によれば、運営団体はいずれも太陽光発電に移行中だ。1日24時間ロッジに給電することが可能になるほか、地域の環境への影響を大幅に減少させることにもつながるという。

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