「鉄の天井」を破った小池都知事、抱負を語る

東京都の小池百合子知事に単独インタビュー

2016.08.11 Thu posted at 20:20 JST

東京(CNN) 小池百合子氏はこれまで、女性の社会進出を阻む「ガラスの天井」を何度も打ち破ってきた。女性として初の防衛相を務め、初めて自民党総裁選に立候補した。そして先月末の選挙で圧勝を収め、女性初の東京都知事となった。

必ずしも容易なことばかりではなかった。小池氏によると、日本の天井はガラスどころか鉄でできている。その下にいる女性たちを手助けしたいと、同氏は語る。

小池氏は都内の事務所でCNNのインタビューに応じ、「日本の潜在能力はとても大きいのに、国民の半数を占める女性がうまく活用されていない。日本の、そして東京の女性たちが能力を発揮できるよう力を尽くしたい」と話した。

日本社会は政界も財界も男性優位だ。世界経済フォーラム(WEF)が各国の男女平等の度合いを比較したランキングでは、145カ国中101位。世界各国の議会で構成する列国議会同盟(IPU)によると、衆議院の女性議員比率は9.5%にとどまっている。

小池氏によれば、大きな課題のひとつが育児だという。あまりにも多くの女性が、キャリアを持つか家庭を築くかの選択を強いられている。「米国やほかの国の女性たちはもっと自由にその両方を選ぶことができるのに」と、小池氏は嘆く。

小池氏は都知事選で育児支援態勢を改善し、女性の就労を促進すると約束した。

これを実現するためには、日本が直面する別の大きな課題に取り組む必要がある。人口の高齢化だ。国連の統計によると、65歳以上の高齢者が日本の総人口に占める割合は現在25%余り。2060年には40%にも達すると予想される。

「人口構成は日本が抱える最大の社会問題のひとつだ」と、小池氏は話す。「東京のような巨大都市に住む私たちは、この問題に対して良い解決策を見出す必要がある」という。

男女平等の度合いを比較したランキングで日本は145カ国中101位

小池氏は以前から「異端」の要素を持っている。若くしてエジプトのカイロ大学でアラビア語を学んだが、当時日本ではアラビア語はかなりマイナーな言語だった。「日本は均質な社会だから、変わったことや独創的なことをするととても奇妙に映る」「私は古い考え方に常に挑戦してきた」と小池氏は語る。

米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン氏になぞらえられることもよくある。小池氏はクリントン氏の選挙戦を称賛しつつ、「自分の選挙戦はたったの17日だった」「(米大統領選の長さは)考えられない」と語った。

小池氏はこれまで緊密な日米関係を重視する姿勢を示しており、11月の米大統領選で誰が勝っても日本は米国と連携していくとの見方を示した。安全保障は両国の協力分野の一つとなるが、特に2020年の東京五輪に向けた国際的なテロ活動の脅威については「準備を万端にする必要がある」「国際、国内の両面でテロに警戒しなければならない」と強調した。

東京五輪は小池氏が取り組む恐らく最大の課題となる。4年先のこととはいえ、五輪はすでにさまざまな議論を呼んでいる。メーン会場となる新国立競技場の建設は故ザハ・ハディド氏の設計案が工費の高騰で白紙撤回となり、遅れが出ている。公式エンブレムも盗作問題で撤回を余儀なくされた。

少なくとも問題のありかは分かっていると、小池氏は笑顔を見せる。「私は先任の方々よりもずっとラッキーだと思う。解決策を探すのはそれほど簡単なことではないが、最善を尽くすつもりだ」と力を込める。

小池氏は、五輪の開催費用がすでにばく大な額に上っていると指摘。今後は支出を抑え、よりコストパフォーマンスの高い五輪にしたいと意気込みを語った。

小池都知事に単独インタビュー

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