米シークレットサービス、トランプ氏発言巡り陣営から事情聴取

ドナルド・トランプ氏

2016.08.11 Thu posted at 10:18 JST

(CNN) 共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏が銃を持つ権利を保障した憲法修正第2条に触れて民主党候補のヒラリー・クリントン氏に対する暴力を示唆したともとれる発言をした問題で、要人警護を担当するシークレットサービスの関係者がCNNに対し、トランプ陣営から事情を聴いたことを明らかにした。

シークレットサービス当局者はCNNの取材に対し、この発言についてトランプ陣営と「複数回にわたって話をした」としている。陣営側は、トランプ氏に暴力を促す意図はなかったと返答したという。

一方、トランプ氏はツイッターで「(シークレットサービスとは)会ったことも話をしたこともない」と述べ、CNNの報道を否定した。

トランプ氏の問題発言は9日の集会で飛び出した。クリントン氏が最高裁判事を指名すれば銃所持の権利が弱められかねないと主張し、憲法修正第2条の擁護派ならそうした事態を阻止できるかもしれないと訴えていた。

シークレットサービスのキャシー・ミルホーン報道官は、トランプ陣営とシークレットサービスとの接触については確認を避けているが、9日の声明で「トランプ氏の発言については認識している」とコメントした。

ヒラリー・クリントン氏

トランプ氏は同日夕、フォックスニュースの取材に対し、自分は単に、銃所持者に対して投票の際は反クリントンで結束するよう呼びかけたにすぎないと弁明。「それ以上の解釈はあり得ない。勘弁してくれ」と話している。

一方、クリントン氏は10日のアイオワ州の集会でこの発言に触れ、「発言は問題だ。大統領候補であれば、あるいは米国の大統領であれば、発言がとてつもない結果を招くこともある」と強調。「我々は昨日もまた、ドナルド・トランプ氏の一線を越えたうかつな発言を目の当たりにした」と批判した。

クリントン陣営は10日、支持者に送ったメールにも今回のトランプ氏の発言を引用し、資金集めに利用している。

トランプ氏の支持派は同日、今回の発言は冗談だった、あるいは民主党やマスコミが騒ぎを大きくしようとしていると主張して、事態を収拾しようと努めた。

これに対してクリントン氏支持派は、暴力は冗談にすべきことではないと反論してトランプ氏を攻撃した。CBSニュースの元キャスターもフェイスブックへの投稿で、トランプ氏は「潜在的に危険な一線を越えた」と主張。「これは政敵に対する直接的な暴力の脅しだ。米国政治の常識に反するだけでなく、法に触れるかどうかという深刻な疑問を生じさせる」との見方を示した。

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