インドの「鉄の女」、16年間のハンスト打ち切り選挙出馬へ

「鉄の女」の異名をとるインドの人権活動家、イロム・シャルミラさん

2016.08.10 Wed posted at 16:04 JST

(CNN) インド北東部マニプール州で16年前からハンガーストライキを続けてきた人権活動家のイロム・シャルミラさんが9日、自身の意思でハンストを打ち切り、今後は選挙で政界入りをめざすと表明した。

シャルミラさんは報道陣の前でほほ笑み、続いてすすり泣いた。自らの手のひらですくいとったはちみつをなめて、「この瞬間を決して忘れない」と述べた。強制的に栄養を送り込んでいた鼻のチューブは取り外された。

シャルミラさんは「マニプールの鉄の女」として知られ、2005年にはノーベル賞にもノミネートされた。マニプール州で00年、インド軍兵士が民間人10人を殺害したとされる事件をきっかけに、軍に令状なしの捜索、拘束、射殺など強大な権限を与える軍事特別権限法(AFSPA)に抗議するハンストを始めた。

16年間に及んだハンストは世界でも最長とされるが、変化を起こすために政界をめざす道を選んだ。報道陣との会見で「私は革命の真の体現者。マニプール州首相になりたい」「過酷な法律を廃止することが最優先だ」と語った。

ニューデリーの裁判所前で抗議の声を上げるシャルミラさんの支持者ら=2013年3月

シャルミラさんはハンスト中、自殺を図った容疑で14回にわたり逮捕され、最終的に司法措置として病院に身柄を拘束されていた。自殺未遂はインド連邦法違反となるため、10年以上前からチューブで栄養を補給されていた。

ハンストの打ち切りと同時に拘束を解かれたが、正式な裁判所命令が出るまで病院にとどまる見通し。その後は自宅でなく、宗教施設で暮らす意向だ。

来年予定される同州の選挙に、無所属の候補として出馬するとみられる。

マニプール州は内陸部に位置する貧困州。地元の部族社会には中央政府から見放されているという不満が根強く、時として暴動に発展することもある。

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