フィラデルフィア（ＣＮＮ） 米民主党の全国大会が２５日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで開幕した。党全国委員会のメール流出問題をめぐってバーニー・サンダース上院議員の支持者らが不満をあらわにするなか、サンダース氏が自ら事態収拾を図り、党内の結束を呼び掛けた。
民主党では、指名争いで中立の立場を守るべき全国委員会がヒラリー・クリントン前国務長官に肩入れし、サンダース氏の妨害を図っていたことを示すメールが流出。全国委委員長のデビー・ワッサーマンシュルツ氏が責任を認め、辞任を表明する事態となっている。
サンダース氏は、大会に集まった支持者らに「私への個人的な厚意として、場内での抗議行動は控えていただきたい」というメッセージを配信。スピーチでもクリントン氏を選出することの重要さを訴えたが、支持者からはブーイングの声が上がった。
これに先立ってサンダース陣営とクリントン陣営の幹部が会談し、場内で抗議行動が起きれば党のイメージが損なわれるとの見解で一致していた。場内では両陣営のチームが共同態勢を張って警戒に当たった。
サンダース議員が党内の結束を呼び掛けた
サンダース氏らは、共和党候補の実業家ドナルド・トランプ氏が大統領に選ばれるという「最悪のシナリオ」を阻止するために党の分断を避け、クリントン氏支持でまとまる必要があると主張。全国委員会は大会の冒頭で、サンダース氏や支持者らに「心から謝罪する」との声明を出し、再発防止を約束した。
しかし会場には「バーニー、バーニー」と唱える声が鳴り響き、結束を呼び掛ける発言に対して、やじやブーイングが相次いだ。
一方、共和党のトランプ氏はこの事態をアピールのチャンスととらえているようだ。同氏はツイッターで「サンダース氏は国民のための闘いを完全に断念してしまった。しかし我々は、労働者のより良い未来を願う全ての有権者を歓迎する」と強調した。