ロシアのリオ五輪出場、一律での禁止は見送り IOC

ロシア選手のリオ五輪出場の可否は、各競技連盟の判断に委ねられることに

2016.07.25 Mon posted at 10:23 JST

(CNN) ロシアが国家ぐるみでドーピングを行っていたとされる問題で、国際オリンピック委員会(IOC)は24日、ロシア選手のリオデジャネイロ五輪出場を一律には禁止せず、選手を出場させるかどうかの判断はそれぞれの競技連盟に委ねると発表した。

この問題では世界反ドーピング機関(WADA)が18日に公表した報告書で、ロシアは過去の冬季五輪や夏季五輪でドーピングを行い、国家スポーツ当局の指示でその事実を組織的に隠蔽(いんぺい)していたとして非難。これを受けてロシアのリオ五輪出場禁止を求める声が強まっていた。

しかし24日のIOCの発表では、ロシア選手であっても厳格な反ドーピング基準を満たし、ドーピングを行った過去がないことを条件として、それぞれが所属する競技連盟の判断によってリオ五輪への出場を認めるとした。

各競技連盟に対しては、個々の選手のドーピングに関する過去を調べ、信頼できる国際機関の検査のみを判断材料とすることなどを求めた。

IOCのバッハ会長は同日の電話会見で、「世界中のクリーンなアスリートを公平に扱い、そうしたクリーンなアスリートを守る」と強調した。

IOCのトーマス・バッハ会長

ロシア選手については8月5日の五輪開幕までに、各競技連盟が個々に出場を認めるかどうかの判断を示すことになりそうだ。

一方IOCは、今回の問題を告発したロシアの女子陸上選手ユリア・ステパノワについては、告発の行動を評価しながらも、過去にドーピングで有罪判定を受けていることを理由にリオ五輪出場は認めない方針。

IOCの決定についてロシアのジューコフ・オリンピック相は、西側メディアの圧力に屈することなく「我が国の選手がロシア国旗の下でオリンピックに参加できるようにした思慮深い判断」と評価した。

これに対して米反ドーピング機関のタイガート会長はツイッターへの投稿で、「IOCは断固たるリーダーシップの発揮を拒んだ」と失望を表明。IOCが判断を委ねた競技連盟についても「開幕までの短い期間でこの状況に適切に対応できるだけのノウハウを持ち合わせていないのではないか」と懸念を示した。

今回の決定にかかわらず、ロシアの陸上選手は国際陸上競技連盟(IAAF)による資格停止処分を受け、リオ五輪には出場できない。

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