(CNN) ドイツ南部ミュンヘンの銃乱射事件で自殺した容疑者は大量殺人に関心を持ち、過去の事件について詳しく調べていたことが24日までに分かった。警察によると、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」とのつながりは見つかっていない。
警察が23日の記者会見で発表したところによると、単独犯とみられる少年(18)に政治的な動機はなく、自宅で見つかった資料から宗教についての記述も発見されなかった。
その一方で、大量殺人事件を扱った書籍などの資料が大量に出てきたという。
近隣住民がCNNに語ったところによると、容疑者のアパートを警察が捜索した。警察は会見で、容疑者の両親から事情を聴いていることを明らかにした。ただ両親はショックが大きく、捜査に協力できる状態ではないとされる。
デメジエール内相によると、両親はイスラム教シーア派の信者で、1990年代に難民としてイランからドイツへ渡った。容疑者はドイツとイランの二重国籍を持ち、ミュンヘンで生まれ育った。事件前に警察や情報当局の捜査対象になったことはなかった。
容疑者は同年代の仲間にいじめられていた形跡があるという。警察当局者によると、過去に精神的な問題で治療を受けたこともあった。
デメジエール内相は、少年が犯行前にフェイスブック上である女性のアカウントを乗っ取り、現場のマクドナルドで無料の商品が配られるという偽情報を投稿していたとの見方を示した。店内に客をおびき寄せるのが目的だったとみられ、捜査当局が確認を急いでいるという。
犯行に使われたけん銃は製造番号を削り取った跡があり、不法に入手したことがうかがえる。
警察はまた、5年前のちょうど同じ日にノルウェーの青少年キャンプが狙われた銃乱射事件との関連が疑われると述べた。
どちらの事件も多くの若者が犠牲になった。ミュンヘンで死亡した9人の年齢は14歳が3人、15歳が2人、17歳と19歳が各1人と、大半が十代だった。残る2人は20歳と45歳だった。
当局者らによると、死者は全員がドイツ人。このうち3人はトルコ国籍、1人はギリシャ国籍も持っていたことが、両国の外務省からの発表で判明している。